2023/07/20
塗装をする際に気になるのが、外壁材と塗料の相性。
壁材の持つデメリットをカバーするのも塗料の重要な役割です。
今回は外壁材に合わせた塗料の選び方についてご紹介します!
【モルタル】と【サイディングボード】
まずは外壁材で多く見られる「モルタル」と「サイディングボード」の特徴についてご説明します。
●●モルタルとは
モルタルはセメントと石灰や砂を混ぜて水で練ったあと、乾燥させて作られた資材のことです。
強度が強く耐火性に優れていますが、モルタル自体の収縮や構造木材の乾燥収縮などによって、
表面に微細なクラックが発生しやすいというデメリットがあります。
夏の建物の膨張と冬の収縮を繰り返して大きくなったクラックから雨水が浸入すると、
建物自体の劣化を速める可能性が高まるため早めのメンテナンスが必要になってきます。
●●サイディングボードとは
サイディングボードとは工場であらかじめ成型されて作られた板材のことで、ボードの間にはつなぎ目ができるため
シーリング材を使って気密性や防水性を上げます。
サイディングの種類にもいくつかありますが、普段多く目にするものとしては
「金属サイディング」と「窯業系サイディング」が挙げられます。
・金属サイディング…スチールやアルミニウムなどの金属鋼板。軽くて耐久性に優れる。
・窯業系サイディング…セメント質と繊維質を主な原料とした素材。レンガ調などデザインが豊富。
比較的安価で、種類も多く意匠性に富んでいるため近年一般住宅で普及しています。
一方、太陽によって外壁表面温度が上がりやすいことや吸水性が高いなどのデメリットもあります。
外壁材に合わせて塗料を選ぶ
このようなそれぞれの外壁の特徴を踏まえながら、最適な塗料の種類について見ていきましょう。
●●モルタル
前述のように、モルタルはクラックが発生しやすい外壁です。
そのため塗料選びの際は、ゴムのように伸び縮みする柔らかな性質を持った「弾性塗料」がおすすめです。
伸縮性のない塗料では、外壁にひび割れが生じれば同じように塗膜もひび割れてしまうため、雨水の侵入リスクが高まります。
防水を重要視する場合や、ひび割れる可能性の高い外壁には最適な塗料と言えます。
⇊おすすめ塗料⇊
●EC-5000PCM-IR
「超防水性」…約600%の伸長性を持つ塗膜が雨水の侵入を抑制。
「高耐候性」…紫外線に破壊されにくいピュアアクリル樹脂を採用。
15年以上の高い耐候性を発揮。
「遮熱性」 …近赤外線をナノセラミック粒子と顔料で効果的に反射し
室内温度の上昇を抑制。
●●サイディング
サイディングの場合は「遮熱塗料」がおすすめです。
太陽によって外壁表面温度が上がりやすいデメリットを、遮熱効果の高い塗料を施すことで解消できます。
熱の作用を軽減するため、熱損傷による建材へのダメージも減らすことができ早期劣化を防げます。
⇊おすすめ塗料⇊
●シリコンREVO1000-IR
「耐候性」 …劣化に強いシリコン成分の配合量が、一般的なシリコン塗料の約3倍。
塗料の劣化要因となる「ラジカル」の発生を抑制する「ラジカル制御型白色顔料」を採用。
「低汚染性」…特殊な三重構造のアクリルシリコン樹脂を採用。
最表面が強靭性を有するため、汚れが付着しにくく低汚染性を発揮。
「遮熱性」… 塗料の着色に使用する顔料には日射反射率が高く熱を吸収しにくい
「遮熱黒色無機顔料」を採用。
近赤外線を効果的に反射する塗膜を形成。
最後に
このように、まずは使用されている外壁材のデメリットを把握することも塗料選びのポイントの一つです。
それをカバーするために必要な機能を持った塗料をピックアップしていくと、お住まいの外壁を長く保護してくれる塗料が
よりスムーズに見つかるかと思います。
ぜひご参考にされてみてください。
引用:「外装リフォームの教科書2019」