2024/01/09
外壁塗装の見積書に「付帯部」と記載されているのを目にしたことはあるでしょうか?
この付帯部とは、簡単に言うと外壁塗装工事において外壁以外に塗装する部分のことを指します。
どこまでを付帯部分に含めるのかは業者によって考え方が異なる場合もありますが、一般的に付帯部を塗装する際は外壁塗装と一緒に行います。
今回は主な付帯部の名称をご紹介しながら、付帯部塗装について詳しくご説明いたします。
付帯部分とは?外壁と一緒に塗装をする理由
●●付帯部とはどの箇所のこと?
冒頭で少し触れましたが、付帯部とは「外壁の外側に付属している家のパーツ」を指します。
日本の家屋は気候に合わせた建物にするために複雑な構成になっており、多くの付帯部分があります。
以下では主な付帯部分の名称についてご説明していきます。
●軒天
外壁より外側へ出ている屋根の裏側を指し、「軒下」「軒裏」とも呼ばれます。
建物のデザインによっては軒天が無い場合もあります。
屋根などに落ちた雨水を集めて下へ落とし排水するための、筒状になった部位を指します。
塩化ビニール製のものが一般的です。
上下に渡されている樋を「竪樋」、横に向かって渡されている樋を「軒樋」と呼びます。
また、樋と樋を繋げる接続部に使われる集水器やエルボ、樋を外壁に取り付けるための金具も付帯部に含まれます。
●雨戸、シャッター
窓サッシの外側に窓を保護するために取り付けられている戸を、雨戸またはシャッターと呼びます。
雨戸は昔ながらの建物によく見られ、木製や金属製のものが多いです。
最近では、アルミや鋼板製で上部に格納するシャッターが主流となっています。
●雨戸戸袋、シャッターボックス
雨戸をしまうための箱状の入れ物を戸袋と言います。
雨戸は横へスライドさせて戸袋へ収納し、シャッターは上部へ巻き込んでシャッターボックスへ収納します。
●庇
窓の上部などに取り付けられた小さな屋根状のものを指します。
アルミやポリカーボネート製のものが主流です。
●破風版、鼻隠し
破風版とは、屋根を横から見たときに三角形になっている面の先端に取り付けられている板のことです。
一方鼻隠しとは、横から見たときに三角形ではないほうの面の先端、地面と平行になっている部分に取り付けられている板のことを指します。
どちらも妻切屋根に見られる付帯部分です。
以前は木材が使用されていましたが、現在では窯業サイディングやガルバリウム製のものが増えています。
●幕板(帯板)
外壁の1階と2階の境界や、外壁と基礎の境界によく取り付けられている横長の板を指します。
帯板と呼ばれる場合もあります。
竪に取り付けられている場合もあり、主にアクセントとして見た目を良くするために付けられています。
木材の他に窯業系サイディングやガルバリウム製のものがあります。
●笠木
ベランダの腰壁の上部に被せるようにして取り付けられているものを指します。
腰壁を雨などから守る役割があります。
アルミ製やステンレス製のものが主流です。
●水切り
外壁と基礎の間や窓枠の下に設置されている部材のことを指します。
雨水で外壁が汚れることや、室内や土台へ雨水が浸入することを防ぐ役割があります。
アルミやスチールなどの金属製のものが多いです。
●基礎
家の土台部分を指します。
コンクリートでできていますが、多くは表面がモルタルで仕上げられています。
●ダクトカバー
家を建ててエアコンを設置した際には、外壁にエアコンのダクトが取り付けられます。
このダクトの見栄えを良くするために付けられるカバーをダクトカバーと呼びます。
ダクトカバーは家の付帯部分ではありませんが、外壁に取り付けられているため一緒に塗る場合があります。
●●外壁と一緒に塗装するのはなぜ?
●外壁と付帯部を別のタイミングで塗装すると、余計に費用がかかってしまう可能性がある
外壁塗装にも付帯部塗装にも足場が必要となりますが、一緒のタイミングで行えば1回分の足場代で済ませることができます。
一般的に足場代は数十万かかるため、別々にしてしまうと倍の費用がかかることになるのです。
また塗装を同時に行えば、外壁塗装の合間に付帯部塗装を行うこともできるので上手く時間を活用し人件費を抑えることができます。
費用については様々な要因が絡んでくるので一概には言えない部分がありますが、一緒のタイミングで塗装したほうが費用が抑えられる傾向にあるのは確実です。
※付帯部塗装については、一部足場が必要ないケースもあります(地面から届く範囲にある付帯部の塗装など)
●外壁塗装のみだと、付帯部の傷みや汚れが悪目立ちしやすい
外壁塗装のみの場合、外壁がきれいになった分だけ付帯部の傷みや汚れがより悪目立ちしてしまう場合があります。
傷み・汚れが酷いほどそれが顕著に現れます。
●かかる時間や手間を考えると非効率的
塗装には時間と手間がかかります。
業者による現場調査、見積りの検討、色選び等の打ち合わせや、それに伴うスケジュール調整など行ったり、工事期間中は自由に窓の開閉がしにくいといったような制限もあります。
こうしたことを付帯部塗装のためだけに改めて行うとなると、同じタイミングで塗装する場合と比べやはり負担が大きくなります。
結果「まぁ、いいか」と塗装せず放置してしまう人も少なくありません。
しかしメンテナンスが無いまま放置されると、付帯部の性能が十分に発揮しなくなるだけではなく、雨漏りを発生させる原因となってしまうこともあります。
「付帯部塗装を後回しにした結果、最悪の事態になってしまった」といったことがないよう、塗装を必要としている付帯部については外壁と同じタイミングで塗装するほうが賢明と言えます。
●●外壁と一緒に塗装することが多い付帯部
ここでは外壁と一緒に塗装することが多い主な付帯部と、具体的にどのような場合に塗装が必要なのかについてご説明していきます。
●雨樋
外壁がきれいになると、外壁を縦断している雨樋の汚れや傷みが悪目立ちしやすくなるため、多くの場合外壁塗装のタイミングで雨樋も塗装します。
塗装をすることで雨樋の耐久性を高める効果も期待できます。
ただしひび割れや欠損が生じているなどの大きな劣化が見られる場合には、塗装では補修しきれないため雨樋の部分交換などを行うことになります。
●幕板
ひび割れや塗膜の膨れ・剥がれなどの劣化が進行すると、住まい内部への水の侵入を許してしまい雨漏り発生のリスクが高まります。
そのため、劣化が生じている場合には外壁と同じタイミングで塗装することが一般的です。
また雨樋同様、外壁を横断する幕板に汚れや傷みなどが見受けられると、建物の美観性にも関わってきます。
ただし塗装で補修しきれないほど幕板の劣化が激しい場合は、交換等で対処することもあります。
●軒天
軒天に関しても、剥がれや膨れ、カビ・コケの発生などの劣化が生じている場合、外壁と同じタイミングで塗装を行うのが一般的です。
ちなみに軒天の塗装をする際は、同時に屋根の塗装もすることがほとんどです。
劣化症状の中でもシミが発生している場合、塗装では補修しきれないことが少なくありません。
なぜなら、シミの原因として雨漏りが発生している可能性が高いからです。
もし雨漏りが原因でシミが発生しているとすると、塗装ではなく軒天や破風の張替えを行うことになります。
●破風、鼻隠し
外壁と合わせて屋根も塗装する場合、破風と鼻隠しも一緒に塗装をするのが一般的です。
破風や鼻隠しは屋根の先端部にあるため、太陽光や雨風などの外部環境を受けやすく、ひび割れや塗膜の膨れ・剥がれなどの劣化が進行しやすい傾向にあります。
劣化が激しくなると雨漏りのリスクが高まります。
幕板同様、補修しきれないほど劣化が進行している場合は交換などを行うことになります。
付帯部塗装の際はここをチェック!
このように付帯部は建物の耐久性にも大きく影響する重要な役割を果たしています。
しかし業者の中には、付帯部塗装を省いて杜撰な手抜き工事の見積りを出してくる悪徳業者も存在します。
業者から提出された見積りを見る際は、工程の中に付帯部塗装が含まれているかをきちんと確認する必要があります。
ここでは具体的にどのようなことをチェックしたらいいのかをお伝えいたします。
●●付帯部の名称が見積りに含まれているか
見積書の形式や作り方は業者によって異なります。
そのため「付帯部塗装」と記載している業者もあれば、付帯部の名称を一つずつ記載している業者もあります。
しかし、「その他」と記載されている見積りには注意が必要です。
「その他」や「一式」のように詳細が記載されていない見積りでは、付帯部塗装がどこまで行われるのかが不透明です。
曖昧な表記の見積りは必ず業者に質問し、どこまで作業が行われるのかを明確にしておくことが大切です。
●●付帯部塗装の量は家によって異なる
設置されている付帯部の量や種類は家によって異なり、劣化の進行具合も現場によって様々です。
お住まいがどこまで付帯部塗装が必要かは、複数の業者で見積りを取って確認しましょう。
●●適切な工程で付帯部塗装が予定されているか
外壁塗装において「下地処理」は、塗装をするための前段階として大変重要な工程です。
そのため見積りを見る際は、付帯部にも下地処理が行われるのかを確認する必要があります。
下地処理には様々な作業がありますが、付帯部で行われるのは主に以下の内容です。
・ケレン作業
・ひび割れ補修
・下塗り
以上のいずれかが付帯部塗装の工程に含まれていれば、下地処理が正しく行われると考えて問題ありません。
●●適切な塗料が選ばれているか
塗料には塗装できる素材とそうでないものがあります。
ほぼすべての素材に塗装できるタイプのものもあれば、金属やプラスチックなどには塗装できない塗料もあるため、
塗料選びでは素材と相性の良い種類を見極めなければなりません。
特に付帯部には様々な種類の素材が使われているたので、相性の悪い塗料を塗ってしまうと耐久性の低い塗装になってしまいます。
見積りに付帯部に塗装する塗料の記載がない場合は、事前に業者に確認をしておくことをおすすめいたします。
また付帯部に塗装する塗料は、外壁に使用する塗料と同じくらいの耐候年数の塗料を選ぶのがおすすめです。
同じくらいの耐久性の塗料を選んでおけば、次回塗り替える際も外壁と同じタイミングで塗装することができます。
最後に
以上のように、付帯部は建物の耐久性を守る重要なパーツです。
ついメインとなる外壁に重きを置きがちですが、付帯部の機能性が落ちてしまうと様々なお住まいのトラブルに繋がりかねません。
もちろん劣化の進行具合にもよるため、必ずしも全付帯部を外壁塗装と一緒に行わなければならないという訳ではありませんが、
塗装と言う大きなお買い物をされる上で今回ご説明した内容も考慮していただければ、より長く確実にお住まいを守れる塗装工事になるかと思います。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
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