2023/12/18
塗装においてかかる費用を気にされる方は多いかと思います。
外壁塗装の費用の相場はおおよそ80万~と言われていますが、これはあくまで相場価格となっています。
やはりそれぞれのお住まいごとに外壁の大きさや劣化の進行具合、使用する塗料の種類などが異なってくるので、それに伴ってかかる費用も変動してきます。
また近年は、原材料高騰の影響で大手塗料メーカーが一斉に塗料の価格を5~20%程度値上げをしていることもあり、今後は外壁塗装の費用も値上げが進む可能性があります。
今回は費用相場やお支払いについてなど詳しくご説明していきます。
外壁塗装の費用相場
●●費用の内訳から正確に相場を掴む
外壁塗装の費用内訳としては、主に「塗料代」「人件費」「足場代」「経費」となっています。
外壁塗装の費用相場をより正確に掴むためには、「塗料代」「人件費」「足場代」のそれぞれの費用相場をもとに考えるのがおすすめです。
ちなみにこの3つの内訳比率は塗料代20%、人件費30%、足場代20%となっており、残りの30%が経費となっています。
冒頭でも少し触れましたが、近年の世界情勢の影響により塗料の原材料価格が高騰しています。
さらに原油価格の上昇によって運送コストも上昇し、塗料メーカー各社は塗料の値上げを発表しました。
塗料値上げ率は製品によって5~20%ほどで、業者に払う費用で言うと2~5万円ほどの値上げになると考えられます。
この塗料代高騰の流れは来年以降も続くと予想されます。
●●人件費の相場
外壁塗装における人件費とは、塗装職人の工事に対してかかる費用のことです。
基本的には「飛散防止ネット」「高圧洗浄」「養生」「施工費」はどんな塗装工事の場合もかかる費用となっています。
基礎や雨樋といった付帯部の塗装工事については、塗装する箇所によって異なります。
人件費の相場価格
値段相場※1缶当たり
塗料に使用される代表的な樹脂
期待耐用年数
5,000~15,000円
アクリル
約4年
5,000~20,000円
ウレタン
約6年
15,000~40,000円
シリコン
約8年
40,000~100,000円
フッ素
約12年
50,000~70,000円
ピュアアクリル
約15年
50,000~70,000円
無機配合型フッ素
約16年
50,000~120,000円
変性無機
約18年
●●足場代の相場
外壁塗装における足場代とは、足場を組むためにかかる費用のことです。
足場の費用相場は下記の計算式で自身でも算出できます。
【計算式で割り出す足場代の費用相場】
①足場は住まいから少し離れた場所に設置します。まずはどのくらいの大きさの足場をかけるか調べるために、足場をかける面積(足場架面積)を算出します。
※家の外周に足す8mは外壁から足場までの距離に相当します。
足場架面積=[家の外周+8m]×高さ
②足場代(㎡単価)と飛散防止ネット(㎡単価)、さらに①で算出した足場架面積から足場代を算出します。
足場費用=足場架面積×(足場費用/㎡+飛散防止ネット/㎡)
足場代(㎡単価) | 600~800円/㎡ |
飛散防止ネット(㎡単価) | 100~200円/㎡ |
費用相場と一緒におさえておきたいお支払いのこと
●●お支払いのタイミング
一般的な支払方法は下記の二つです。
・工事完了後の一括払い
・契約時か着工時に一部を、完工時に残金を払う
お支払いのタイミングに関しては業者によって異なるため、契約前に必ず確認することが大切です。
気をつけたいのが工事前に全額支払いを指定された場合です。なぜなら「金額を支払ったあと連絡がつかなくなった」というトラブルに発展する恐れがあるからです。
実際に国民生活センターにも同様のトラブルが多数寄せられています。
●●リフォームローンでのお支払いも可能
塗装をしたいけれど一度にまとまったお金を用意するのが難しいという方には、リフォームローンを使って支払うという選択肢もあります。
金融機関によっても条件は様々で、自社で取り扱いのある場合もあるので、契約前にご相談されることをおすすめいたします。
●●クーリングオフ
訪問販売や電話勧誘販売等の不意打ち的な取引で契約した場合、契約終結日を含め8日以内であれば契約の取り消し・解除ができます。
クーリングオフができるのか判断がつかないときや、クーリングオフの方法についてわからないときは国民生活センター等にご相談ください。
費用に関するトラブル例
●●大幅値引き
「今すぐの契約で半額にします」などと謳い、最初の見積り額よりも大幅な値引き額を提示してくる業者には注意が必要です。
前述したように、外壁塗装には塗料代や人件費、足場代など一定以上の費用がかかるため、そう簡単に大幅値引きができるものではありません。
大幅値引きをしたように見せかけて、実は最初に提示した見積り額をありえないほどの高額に設定しているだけだったり、本来は1週間かかる工程を2~3日で終わらせていたり、使用する塗料の量を規定よりも少なくしていたりと、
一般消費者にはわからないよう巧妙に工事品質を下げて割り引いている可能性もあります。
●●追加費用
見積りの際にはお得な額を提示しておき、そのあとオプション工事を追加することで請求額を吊り上げる悪質な業者も存在します。
「一緒に補修しておきますね」などとあたかも無償で行うような口ぶりで工事を行い、実際にはきっちり請求されてしまうケースもあります。
追加での工事が発生した際は、見積り額の範囲内で対応できるものなのかを確認することが大切です。
見積り外の場合は、改めて見積もりを依頼することで想定外の請求を防ぐことができます。
見積書をチェックする際に見るべきポイント
●●塗料メーカー名と商品名が明記されているか
たとえば同じシリコン塗料でもメーカーによって価格が異なります。
またシリコン樹脂の含有量や化学結合の強さなども各メーカーによって違いがあるため、そのぶん品質にも差があります。
そのため「シリコン塗料」という記載だけでは不十分で、そのメーカーの何という商品を使用するのかというところまで明記されている見積りのほうが確実です。
●●塗装面積が「㎡」表記になっているか
どれぐらいの範囲塗装をするかという「塗装面積」は、塗布量を算出するために必要な数値です。
つまり塗装面積が㎡単位で記載されていることは、きちんと塗布量が産出されている証拠でもあります。
●●使用する塗料の缶数が明記されているか
塗料の缶数はすなわち「どれぐらいの塗料を使用するか」ということを意味しています。
使用する塗料の量は各塗料メーカーによって決められており、規定量より多くても少なくても施工不良に繋がる可能性があります。
●●「一式」表記になっていないか
一見するとすべて含まれているような印象を受ける「一式」表記ですが、詳細な情報が明記されていないのは大変リスクが高いと言えます。
よくあるのが「塗装してもらえると思っていた箇所が含まれていなかった」というトラブルです。
外壁や屋根はもちろん、付帯部分と呼ばれる箇所についても見積りに含まれているかどうかを細かくチェックすることが重要です。
最後に
外壁塗装の費用相場を掴むには、様々な観点で多角的にチェックしていくことをおすすめいたします。
費用相場を正しく把握しておくことは、外壁塗装の計画を立てる上で参考になるだけでなく、悪質な業者に騙されることなく適正価格で塗装工事を行う上でも非常に大切な事です。
塗装を検討の際はぜひ今回の内容をご参考にされてみて下さい。
この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。