2024/01/05
塗装工事を行う際に必要となる「足場」は、現場の安全性と作業性を確保する上で重要な役割を果たしています。
日常生活ではほぼ馴染みが無いものなので、本当に必要なものなのか、見積価格が適正なのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は足場を組む目的や費用相場などについて詳しくご説明していきます。
足場の有無が施工品質を左右する
塗装工事においてまず一番最初に行われるのが足場の組み立てです。
足場設置自体は一日で終了する作業ではあるものの、その後の高圧洗浄や下地処理、塗装といった一連の作業の安全性と施工品質を維持し続ける重要な存在となります。
以下では足場の目的についてご説明していきます。
●●高所での作業を安定させる
足場を組むことによって、建物周辺の空間を作業スペースとして確保できます。
作業スペースが増えることで足元が安定し、外壁に対して力が均一にかかりやすくなるので統一した厚みの塗膜に仕上げることができます。
また工具を持ち替える際には、塗料が入った入れ物や工具を足場の板に一旦置き、手を開放することができるため作業効率も上がります。
足場を組み立てずとも脚立で事足りるのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、脚立の場合上記のような作業スペースが無いため手元や足元が不安定になり、人や物の落下・施工ミスなどのリスクが高まる可能性があります。
●●現場の安全性を高める
足場があることで高所であっても職人が体勢を保ちやすくなるため、敷地内での転落を防止することができます。
前述したように、手元の自由度が上がるためうっかり工具を落としたり体勢を崩してしまった場合でも、とっさに受け身を取りやすくなります。
また足場の上で作業をする職人だけでなく、足場の下にいる住人を物・人の落下事故から守ることができます。
そのため、隣家との隙間が非常に狭いといったような特別なケースを除いて、ほとんどの塗装業者では足場を組んでから作業を行います。
●●作業効率が上がる
足元が安定した作業環境を作ることで施工自体がしやすくなり、そのぶん職人の作業効率も上がります。
脚立でも塗装を行えないこともありませんが、作業中に左右へ移動できないため一箇所の施工が終わるたびに次の施工箇所へ脚立を移動させなければならないという大きなデメリットがあります。
万が一ひとつ前の施工箇所に不備などがあった場合は、また元の位置に脚立を戻さなければならず、非常に作業効率が悪いと言えます。
このような不便な作業環境では施工ミス等を招きやすくなってしまいます。
その点、足場が組まれていれば施工箇所の切り替えもスムーズに行うことができ、無駄な時間が削られ結果として工事を予定通りに進めやすくなります。
●●メッシュシートで塗料・高圧洗浄水の周囲への飛散を防ぐ
足場を組んだ後は、工事中に発生する粉塵や塗料、高圧洗浄水が建物周辺に飛散するのを防ぐために飛散防止ネット(メッシュシート)を足場周りに張ります。
特に高圧洗浄時はどうしても水飛沫が周囲に飛んでしまうので、飛散防止ネットを足場周りに張って近隣の建物や車への飛散を防ぐ必要があります。
足場の費用相場
塗装工事に欠かせない足場ですが、そうなると気になるのが足場設置にかかってくる費用かと思います。
一般的な2階建ての住宅の場合は約20万程と言われていますが、お住まいの大きさや形状によっても足場代は変わるため、ここではおおよその費用についてご説明いたします。
あくまでもご参考として計算されてみて下さい。
●●足場費用の計算方法
①まずは足場を設置する面積である「足場架面積」を計算します。
足場架面積=【家の外周(m)+8m】×家の高さ(m)
上記のように建物の外周を使って足場架面積を求めることができます。
通常足場は建物の外壁よりも0.5mほど距離を空けて組み立てるため、足場の外周は建物の外周に比べ一回り大きくなります。
家の外周にプラスする8mは、外壁から足場までの部分の数値です。
②算出した足場架面積を基に足場費用を求めます。
足場費用=足場架面積×(足場設置費/㎡+飛散防止ネット/㎡)
一般的に足場設置費用は600~900円/㎡、飛散防止ネットは100~200円/㎡前後です。
2階建て戸建て住宅の場合、平均して15~20万円ほどが相場となります。
●●悪徳業者による足場代無料には注意!
業者の中には「今日契約をすれば足場代が無料になります」と謳う悪徳業者も存在します。
しかし足場は無料でできるものではありません。
足場代として請求される費用の内訳を詳しくご説明すると、「足場の運搬費」「足場を組み上げる施工費」「足場を崩す解体費」の3つが合わさり足場代として請求されます。
足場の設置・解体には設置で1日、解体で1日、合計2日間は必ずかかります。
そこにかかる人件費や手間を考えると、簡単に足場無料にできるものではないのです。
自社で足場を保有・設置するので無料でできると言う業者もいますが、自社で行っても設置の際に人件費がかかることに変わりはありません。
このような理由から、サービスで足場代金を多少割り引くことはあっても無料はあり得ません。
足場無料を謳う業者は、足場設置にかかる費用を「施工費単価」や「材料費単価」に上乗せしている可能性もあるため注意が必要です。
「無足場工法」の業者でも大丈夫?
鋼材を組み立てて作る枠組み足場を使わず、あえて「無足場工法」で施工をする業者もいます。
無足場工法には、作業員の体を安全帯で支えロープで吊って施工する方法と、大型のブランコを屋上から吊るしてカゴの中に入った作業員が施工する方法の2種類があります。
前者は足場を設置できないような狭い敷地などで行われ、後者は枠組み足場を設置すると強風で煽られる恐れのある高層マンション等で行われます。
いずれの工法も落下防止ネットや作業員の命綱、警備員の配置などはしなければならないため、無足場工法だからといって安全対策が行われない訳ではありません。
また基本的に、通常の枠組み足場が使用できないようなやむを得ない場合に無足場工法が選ばれます。
そのため枠組み足場が設置できる現場にもかかわらず、工事費用を安くして契約を取るために無足場工法を勧めてくるような業者は避けた方が賢明です。
最後に
塗装工事において足場の設置は当然のように行われていますが、現場の安全性や施工品質を支えるための非常に重要な役割を担っています。
設置にかかる費用は決して安いものではありませんが、確実な施工を行うためには必要不可欠な費用と捉え、大幅な値引き等で騙そうとする業者に惑わされないよう注意しなければなりません。
今回ご紹介した足場設置の目的や費用相場をご参考に、安心して工事をお任せできる業者選びをしていただければ幸いです。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
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