2024/01/08
外壁塗装の費用は、建物の塗装する面積から必要な塗料の量を計算し、そこに人件費等を加えて算出されます。
そのため正確な塗装面積がわからなければ見積りも正確に出せません。
もし施工面積の見積りを誤ったり、使用してはいけない部材や工法を選んでしまえば施工ミス等に繋がりかねません。
今回は外壁塗装面積の算出方法や外壁塗装面積を知ることで得られるメリットについてご説明いたします。
勘違いに注意!建坪と塗装面積の違い
●●建坪から正確な塗装面積は出せない
外壁塗装の見積書を見てみると、塗装する数値を「○坪」と表記する業者がいます。
一見消費者にはわかりやすい表記ですが、坪数から正確な塗装面積を算出することはできません。
外壁の高さ、窓や玄関といった開口部の面積、数等によって塗装する面積が大きく変わってくるからです。
消費者にとって坪数表記はわかりやすいため目安として表記しておき、後から正確な塗装面積を出し直す業者もいますが、出してもらった見積りの表記が「○○坪○○円」のみだった場合は要注意です。
坪表記の塗装業者が必ずしも悪質という訳ではありませんが、見積りの根拠を納得できるまで丁寧に説明をしてくれる業者を選ぶことが大切です。
●●建坪と塗り面積の違い
建坪と塗り面積の違いは「外壁の面積を算出しているかどうか」にあります。
建坪とは1階の床面積を表したものであり、建築面積とも呼ばれます。
家の床を塗装するのであればそれで問題ないかもしれませんが、外壁塗装は建物の側面を塗装するため建坪は全く関係のないものです。
●●図面が必要な理由
工事では塗装する外壁の面積がどのくらいなのか、塗装する雨樋の長さはどのくらいなのか等建物のサイズが重要になります。
大まかな塗装費用の内訳は以下のようになっています。
「足場代+材料費+人件費+諸経費」
この内、足場代と材料費は塗装する面積に比例して変動します。
そのため正確に塗装面積を算出したほうが、より正確な見積り金額を出すことができます。
図面が無くても建物を実測すれば塗装面積を知ることはできますが、全体の計測には時間を要したり誤差が出てしまうことがあったりというデメリットがあります。
仮に塗装面積を少なく見積もってしまうと、施工中に塗料が足りなくなり工事を中断しなければならないという事態も考えられます。
逆に多く見積もってしまった場合は、塗料が余ってしまい必要以上に費用がかかってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、図面を使いできるだけ正確な数字で見積りをする必要があります。
外壁塗装で使用する図面の種類
新築時の引渡し書類に含まれる図面にはいくつか種類があります。
その中でも外壁塗装において最低限必要な図面は「平面図」と「立面図」です。
弊社ではこの二つに加え、「矩計図」という図面のご準備もお客様へお願いしています。
ここではこれらの図面について詳しくご説明していきます。
●●平面図
建物を真上から見下ろし水平に切断した状態を表した図面のことで、「間取り図」とも呼ばれます。
よくマンションの物件情報チラシ等に記載されている、部屋数や位置を示した図も平面図の一種です。
平面図だけでは建物の高さはわかりませんが、外壁の長さが記されているので立面図と組み合わせることで外壁面積を求めることができます。
●●立面図
建物の外観を東西南北の4方向から見た状態の図面です。
正面から見た状態なので、屋根の場合は勾配がわからないため平面図と組み合わせて使用することで建物の縦横がわかるようになります。
●●矩計図
建物を基礎から軒先まで切断した断面図に寸法等を記入した図面です。
床、軒、窓、天井等の高さが記入されているため、矩計図を確認することで建物の各部分の高さを把握することができます。
またそれだけでなく、
・どのような基礎や土台が使用されているか
・どのような方法で防水処理されているか
・どのような断熱材が使用されているか
・屋根の裏側は換気されているか
・屋根や外壁の下地は何が使用されているか
・屋根や外壁にどのような仕上げ処理がされているか
・どこまでの範囲で防腐処理されているか
など、どのような方法や材料で施工されているかも記載されています。
矩計図を見ることで建物の高さや仕様等をより詳細に把握でき、正確な計算をすることができます。
塗装面積の計算方法
相見積もりの際に、同じ建物なのに塗装面積が業者によって異なるという経験をされたことはないでしょうか。
これは業者によって計算方法が異なるために起こります。
ここでは塗装面積の計算方法を大まかに4種類ご紹介いたします。
●●平均値から求められた係数を使用して概算
係数を使用して概算する方法は、一番簡略化された計算方法です。
建物の延べ床面積にざっくりと係数を掛けるといった方法です。
月間の施工件数が多い業者等は、現場ごとに一枚一枚図面を調べていると時間が無くなるため、このような計算式を用いることで図面を使わずに効率化しているところもあります。
【計算式】
延べ床面積(㎡)×1.1~1.4
※係数は建物の規模に合わせて1.1~1.4を使い分けます
掛けられる係数は、窓など塗装をしない部分を省くとおおよそこのくらいの値になるという平均値から求められています。
そのため目安程度に計算したい場合には便利ですが、正確な面積を求める場合にはどうしても誤差が生じてきます。
●●建物を実測して算出
スケールやレーザー距離計を使用して外壁の高さ・長さを測り、そこから窓や玄関など塗装をしない箇所の大きさを差し引きます。
これを東西南北の4面に対して行います。
万が一図面どおりに施工されていなかったり、図面が手に入らなかったりする場合にはこの実測が有効です。
建物全体をくまなく計測するため、計測をしながら劣化状況の調査も合わせて行っていくことが一般的です。
全体の測量には30分~1時間程度の時間を要します。
●●図面から計算
図面を使用して計算する場合には、図面で調べた外壁の高さ・長さをもとに面積を導き出し、窓や玄関などの塗装しない箇所の面積を差し引きます。
実測と同じ要領ですが、建物を測る手間が必要ないため簡単に算出できます。
●●CADシステムで自動計算
CADシステムを使用して図面のデータを入力し、正確な外壁の面積を算出します。
面積計算以外にも、カラーシミレーションの際に実際の建物の形をイラスト化して、色の組み合わせを確認するといった活用方法もあります。
近年このCADシステムが普及してきており弊社でも活用していますが、業者によっては扱いが無い場合もありますので事前に確認しておくことをおすすめいたします。
図面が無い場合の対処
どうしても図面が見つからない場合や、中古住宅で図面が手元にない場合は、まずは図面が無い旨を業者に伝えてください。
多くの場合は現地調査を行って実測するか、概算での算出となります。
どうしても手元に図面が欲しい場合には、建物を建てたハウスメーカーや工務店に相談するという方法もあります。
基本的には建物を建てた業者でも図面を保管しているため、良心的な業者であればコピーをもらうことができるかと思います。
ただし築年数が経っている等で図面を探し出すのに時間がかかってしまうこともあるため、必ずしも取り寄せができるとは限らないという点には注意が必要です。
最後に
このように適正価格で塗装工事を行うために図面は必要不可欠です。
業者の中には図面があるのに「図面はいりません」と断ってきたり、現地での測量をしたがらなかったりと、面積計算をおざなりにする業者もいるので気をつけなければなりません。
また最近では、定額料金が設定された「パック料金」制度で塗装工事を行う業者もいます。
定額なので予算が立てやすく便利に見えますが、塗装しなくても良い面積までパック価格に含まれてしまい余分な費用を払うことになるといった落とし穴も潜んでいます。
適正価格で安全に施工してもらうためにも、図面の重要性をしっかりと理解している優良業者を選ぶことが大切です。
弊社では、お住まいの状況に合わせた塗装プランのご提案しております。
お住まいの状況は環境によって大きく変わります。
だからこそ、プロである私たちがお住まいごと、お客様ごとに最適な塗料・プランをしっかり検討いたします。
もちろん、お住まいの状況を確認したいという方もご相談ください。
▶▶お問い合わせはこちらから
また弊社の大切にしていることとして、塗装後もキレイを保つことです。
「毎年点検」として、毎年お住まいの外壁塗装の状況を確認させていただいております。
毎年点検することで、前回の点検時との違いや、北九州市に多い雨漏りなどの漏水トラブルが起こっていないかなど、細かに点検しお伝えいたします。
顔を合わせる機会が増えることで、お客様にとって住まいに関するお悩みやお困りごとを『気軽に、安心して相談できる』会社を目指しています。
▶▶お住まいの状態を一度確認して見ませんか?無料見積もりはこちらから
この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。