2024/01/31
外壁塗装を検討される際、たくさんの種類の塗料からどれを選べばいいのか頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
塗装に使用される塗料は色だけでなく、耐久性や性能の違いにもバリエーションが豊富にあります。
塗料によっては耐久性に10年ほど差があったり、性能で言えば遮熱性や防汚性に優れたものがあったりと様々です。
今回は予算や要望に合った塗料で塗装工事を行うために、塗料の選び方について詳しくご説明していきます。
値段別!塗料の選び方
塗料の値段相場として、安いものでは1缶あたり5,000円程度、高いものでは最大約15万円程度と言われています。
しかしこれはあくまで上塗り塗料の1缶あたりの値段です。
塗装工事にはこの他に下塗り塗料(一斗缶あたりおよそ5,000~15,000円程度)の費用や、諸経費(塗料が周囲に付かないようにしないための養生シート等)、足場代等がかかってきます。
また外壁の㎡数によっても使用する缶数が変わってきます。
これはあくまで目安ですが、塗り替えの合計金額の相場はおよそ80~150万円程と言われています。
●●塗料の値段の差は期待耐用年数の違い
前述のように、塗料の値段相場は5,000円~15万円程と値段に随分開きがあります。
このような値段の開きがある理由は、「期待耐用年数」の違いにあります。期待耐用年数が長いほど塗料の値段が高くなる傾向にあるのです。
この耐用年数は塗料に使用される「樹脂」によって左右されます。
樹脂とは塗膜を作る主成分で、樹脂の耐久性がその期待耐用年数や塗膜の性能を決定づけます。
以下では値段別に塗料の樹脂とその期待耐用年数をご紹介いたします。
値段相場※1缶当たり
塗料に使用される代表的な樹脂
期待耐用年数
5,000~15,000円
アクリル
約4年
5,000~20,000円
ウレタン
約6年
15,000~40,000円
シリコン
約8年
40,000~100,000円
フッ素
約12年
50,000~70,000円
ピュアアクリル
約15年
50,000~70,000円
無機配合型フッ素
約16年
50,000~120,000円
変性無機
約18年
【樹脂別・塗料の特徴】
●アクリル
価格が安く、定期的に塗り替えを楽しみたい方向きの塗料。期待耐用年数が短いため、建物を長期的に保護する目的としてはあまり向いていません。
●ウレタン
アクリル同様、価格が安く定期的に塗り替えを楽しみたい方向き。アクリル塗料よりは期待耐用年数は長いものの、建物の長期的保護の目的にはやはりあまり向いていません。
●シリコン
一般的によく使われる塗料で、価格と機能のバランスが良い塗料です。期待耐用年数はそこまで長くありません。
●フッ素
期待耐用年数が長く、長期間に渡り建物を保護してくれます。塗膜が硬いのでひび割れには注意が必要です。
●ピュアアクリル
期待耐用年数が長く、高弾性を有するため防水性にも優れた塗料です。ひび割れによる建物への水の侵入を防いでくれます。
アクリル純度の高い樹脂を使用した水性塗料のため、冬場の施工では乾燥が遅くなりがちです。高弾性なので汚れが付着する場合もあります。価格は高めです。
●無機配合型フッ素
フッ素塗料に無機成分を配合し高い耐候性を持ちます。塗料の劣化要因である紫外線、雨、熱から建物を保護してくれます。価格は高めです。
●変性無機
ガラスと同じ成分である無機を使用しており、期待耐用年数はとても長いです。塗料の劣化要因である紫外線、雨、熱から建物を保護してくれますが、
建物の温度変化や振動等に耐えられず、ひび割れが発生しやすいという特徴もあります。
自分の希望に合った塗料の選び方
前項では値段別の塗料の選び方や塗料の特徴についてご説明しました。
値段以外にもどのようなことをポイントに塗料を選べば良いのか、以下では詳しくご説明していきます。
●●外壁を今後どのようにしていきたいか、生涯プランをもとに塗料を選ぶ
耐用年数の違いについて前述しましたが、単純に期待耐用年数が長いものを選べば良いというものでもありません。
塗料を選ぶ際には、まず今後外壁をどのようにしていきたいかを考えることも重要です。
①とにかく長く持たせたい方は、期待耐用年数の長い高耐候型塗料がおすすめ
「お住まいの外壁をとにかく長く持たせたい」「次回の塗り替えまでの期間を長くしたい」という方には、少し値段が高くなっても期待耐用年数が15年以上と長い、
変性無機・無機配合型フッ素・ピュアアクリルの樹脂を使用した高耐候型塗料と呼ばれるものがおすすめです。
高耐候型塗料は塗料自体の値段が高いため、初期投資が高くついてしまいますが、ランニングコストを考えると結果的にお得というパターンが多いです。
②定期的に外壁の色を変えたい、あと数年持てばいいという方には期待耐用年数の短い安価な塗料がおすすめ
「もう家も古く、子供や孫に引き継ぐ予定もないのであと数年持てば十分」「外壁の色は何年かごとに変えてイメージチェンジしたい」という方には、コストが低く期待耐用年数も短めな、アクリル・ウレタン・シリコン塗料がおすすめです。
高耐候型塗料を選ぶと初期投資が高くつく上に、そのコストを回収できないままになってしまい、反対に損をしてしまう恐れがあるからです。
●●迷ったときはシリコン塗料を選ぶ
「今のところ今後外壁をどうしていきたいかというプランがない」「一般的な塗料で十分」という方は、シリコン塗料を選ぶのがおすすめです。
シリコン塗料は、建築塗料市場において80%のシェアを占めている人気の塗料です。価格と機能のバランスも良いので、特にこだわりがないという方はシリコン塗料を選ぶと間違いないかと思います。
●●においに敏感な方、より人体に影響のない塗料を選びたい方は水性塗料を選ぶ
塗料には水を溶媒とする「水性塗料」と有機溶剤を溶媒とする「溶剤塗料」があります。
水性塗料のほうが匂いが少ないため、匂いに敏感な方、小さなお子様やペットがいてより人体に影響のない塗料を選びたい方は、水性塗料を選ぶことをおすすめいたします。
昔は溶剤塗料のほうが水性塗料より期待耐用年数が長く、性能も優れているとイメージが定着していましたが、近年では水性塗料の技術革新によりその差はあまりなく、値段も溶剤塗料だから高いということもありません。
●●外壁に付けたい機能が備わっている塗料を選ぶ
塗料には「防水性」「低汚染性」「防カビ性」などの機能がついているものがあります。
お住まいの外壁にどのような機能を付与したいかを考えて塗料を選ぶことも大切です。
塗装工事の費用内訳
前述しましたが塗料の値段は高くて15万円程で、塗装工事を業者に依頼するとおよそ80~150万円は必要になります。
業者に頼むとなぜこんなに値段が変わるのか、塗装工事金額の内訳と詳しい内容についてご説明していきます。
●●塗装工事の費用内訳
塗装の費用内訳としては、主に「塗料代」「人件費」「足場代」「経費」となっています。
ちなみにこの3つの内訳比率は塗料代20%、人件費30%、足場代20%となっており、残りの30%が経費となっています。
塗料代は全体の20%程度のため、塗料代のみを考えたときよりも必然的に工事費は高くなります。
●●塗料の種類(樹脂)ごとの工事価格例
塗装と言っても使用する塗料や建坪によって相場が変わってきます。
以下は建坪が20坪だった場合、塗料の樹脂ごとにどのくらいの工事価格になるのかを示したものです。
あくまで目安としてご参考にされてみて下さい。
●建坪20坪の場合
アクリル塗料
30~60万
ウレタン塗料
40~70万
シリコン塗料
50~80万
フッ素塗料
60~100万
変性無機塗料
70~120万
●●施工費(人件費)
外壁塗装における人件費とは、塗装職人の工事に対してかかる費用のことです。
基本的には「飛散防止ネット」「高圧洗浄」「養生」「施工費」はどんな塗装工事の場合もかかる費用となっています。
基礎や雨樋といった付帯部の塗装工事については、塗装する箇所によって異なります。
人件費の相場価格
工事費用 | 相場価格(円) | |
飛散防止ネット | 100~200円/㎡ | |
高圧洗浄 | 100~300円/㎡ | |
養生 | 250~400円/㎡ | |
施工費 | 1,000~2,000円/㎡ | |
付帯塗装工事 | 軒天 | 800~1,200円/㎡ |
雨樋 | 800~1,200円/㎡ | |
破風板 | 650~1,200円/㎡ | |
雨戸 | 2,000~5,000円/㎡ | |
シーリング打替え | 900~1,500円/㎡ | |
シーリング増し打ち | 500~1,000円/㎡ | |
諸経費 | 現場管理費 | 1式 30,000~50,000円 |
廃材処理等 |
1式 10,000~30,000円 |
合わせてチェック
より詳しい外壁塗装の費用相場についてはこちらからご覧いただけます。
▶▶気になる外壁塗装の費用相場は?
●●足場代
外壁塗装における足場代とは、足場を組むためにかかる費用のことです。
足場の費用相場は下記の計算式で自身でも算出できます。
【計算式で割り出す足場代の費用相場】
①足場は住まいから少し離れた場所に設置します。まずはどのくらいの大きさの足場をかけるか調べるために、足場をかける面積(足場架面積)を算出します。
※家の外周に足す8mは外壁から足場までの距離に相当します。
足場架面積=[家の外周+8m]×高さ
②足場代(㎡単価)と飛散防止ネット(㎡単価)、さらに①で算出した足場架面積から足場代を算出します。
足場費用=足場架面積×(足場費用/㎡+飛散防止ネット/㎡)
足場代(㎡単価) | 600~800円/㎡ |
飛散防止ネット(㎡単価) | 100~200円/㎡ |
最後に
今回は塗料の値段についてご説明しました。
お値段の面はもちろんですが、塗料はそれぞれ期待耐用年数も性能も異なりますので、ご自身のお住まいを今後どのようにしていきたいかというライフプランをベースに、
後悔のない塗料選びをしていただけたらと思います。
また同時に、その塗料の性能を十分に発揮できるだけの確かな施工技術を持った、信頼できる業者選びをすることも重要です。
弊社では、お住まいの状況に合わせた塗装プランのご提案しております。
お住まいの状況は環境によって大きく変わります。
だからこそ、プロである私たちがお住まいごと、お客様ごとに最適な塗料・プランをしっかり検討いたします。
もちろん、お住まいの状況を確認したいという方もご相談ください。
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また弊社の大切にしていることとして、塗装後もキレイを保つことです。
「毎年点検」として、毎年お住まいの外壁塗装の状況を確認させていただいております。
毎年点検することで、前回の点検時との違いや、北九州市に多い雨漏りなどの漏水トラブルが起こっていないかなど、細かに点検しお伝えいたします。
顔を合わせる機会が増えることで、お客様にとって住まいに関するお悩みやお困りごとを『気軽に、安心して相談できる』会社を目指しています。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。