【外壁塗装】ALCパネルの外壁とは?基礎知識とメリット・デメリット

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ALCパネル(ALC外壁)は50年を超えて使用することも可能と言われている優秀な建材です。
ただし、それくらい長持ちさせるためには定期的な塗装が必須です。
メンテナンスをせず怠ってしまうと、早期劣化だけでなく雨漏りを引き起こすリスクが高まったり、最悪の場合躯体が腐食したりと、外壁だけでなく建物そのものに大きな影響が及んできます。
今回はALCパネルの特徴に触れながら、塗装時期の目安等について詳しくご説明していきます。

 

目次

 

この記事でわかること
ALCパネルにはどんな種類がある?
ALCパネルは形状や厚さ、表面加工の違いで種類が分けられています。形状別では「一般パネル」と「コーナーパネル」に分けられ、厚さでは「薄型パネル」と「厚型パネル」、表面加工では「平パネル」と「意匠パネル」に分けられています。

ALCパネルのメリットは?
ALCパネルのメリットは以下の6点があげられます。
・耐久性が高い
・軽く、耐震性に優れている
・断熱性が高い
・耐火性、防火性が高い
・遮音性が高い
・調湿性に優れている

 

ALCパネルとは



ALCパネルとは、珪石・セメント・石灰・発泡剤などから作られる軽量気泡コンクリートです。
ALCは、”Autoclaved Lightweight aerated Concrete”の略称で、日本語に訳すと「高温高圧蒸気養生された、軽量気泡コンクリート」という意味になります。
高温で発泡加工しており内部に気泡が空いているため、その名のとおり非常に軽いのが一番の特徴であり、その重量は一般的なコンクリートの約1/4となっています。

国外では北極圏から砂漠地帯まで、国内では東京スカイツリーや東京都庁でも使われています。
ALCパネルの具体的な商品としては、旭化成のへーベルハウスに使われる、へーベルパワーボードなどが有名です。
平米単価は7,500円~で、他の外壁材よりも性能が高い分、費用もやや高い傾向にあります。

ALCパネルの種類


    ALCパネルの種類は様々で、形状や厚さ、表面加工によって分けられます。
    以下ではその内容についてご説明していきます。

    ●形状が異なるALCパネル
    ALCパネルは下記の2つの形状によって分けられます。

    ・一般パネル
    ・コーナーパネル

    一般パネルとは外壁の側面部に使われる平らなパネルを指し、コーナーパネルとは建物の四隅の角に使うL字型のパネルを指します。
    形状は少し異なりますが、頑丈さや模様、素材に違いが出ることはありません。


    ●厚さが異なるALCパネル
    ALCパネルは下記の2つの厚さによって分けられます。

    ・薄型パネル
    ・厚型パネル

    薄型パネルとは、厚さ35mm以上、75mm未満のパネルを指します。主に鉄骨造、木造の建築物に使われるパネルです。
    厚型パネルとは、厚さ75mm以上のパネルを指します。主に鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの耐火建築物に使用されることが多いです。

    薄型パネル 厚型パネル
    木造・鉄骨造の建築物に使われる 鉄骨・鉄筋コンクリート造の耐火建築物に使われる
    50~75mm未満
    または

    35~37mm未満

    75mm以上
    L=3000mm以下W=606mm以下
    または
    L=3000mm以下W=606mm以下
    L=6000mm以下W=2400mm以下
    メタルラス(スチール製金網)
    または
    メタルラス(スチール製金網)
    金網状の鉄筋組み込み(特殊防錆処理)


    ●表面加工が異なるALCパネル
    ALCパネルは下記の2つの表面加工によって分けられます。

    ・平パネル
    ・意匠パネル

    平パネルとは何の模様もないパネルのことを指し、意匠パネルとはラインやチェックといったデザインが施されているパネルのことを指します。

     

    ALCパネルのメリット・デメリット



    ここではALCパネルのメリット・デメリットについてご説明いたします。
    ALCパネルは軽くて耐久性が高い以外にも優れたメリットが複数ありますが、もちろんデメリットもあるため注意が必要です。
    お住まいに最適な外壁材を選ぶためにも、ALCパネルのメリット・デメリットをそれぞれおさえておきましょう。

    ALCパネルのメリット


      ●耐久性が高い
      ALCパネルは耐久性の高いことがメリットです。
      これは、ひび割れや反りの原因となる木繊維・パルプ材といった有機物が含まれていないためです。
      冒頭でも触れたように、ALCパネルは定期的なメンテナンスを怠らなければ50年以上もつと言われています。
      そのため、今のお住まいに長く住み続けたいという方におすすめです。


      ●軽く、耐震性に優れている
      前述しましたが、ALCパネルは他の外壁材と比較して軽いです。
      これは直径0.05~0.1ミクロンという非常に細かい気泡が含まれているためで、コンクリートでありながら圧倒的な軽さを実現しています。
      外壁材の重量が軽いほど地震の際の被害が起きにくくなるので、耐震性を重視する方にもALCパネルは向いています。


      ●断熱性が高い
      ALCパネルは断熱性が高いため、夏の暑さや冬の寒さでも室内の温度を一定に保つ断熱効果があります。
      これはALCパネルが内部に気泡を数多く含んでいるからです。この気泡に包まれた空気が層を作り熱の伝わりを抑えるのです。
      なお、ALCパネルの熱伝導率は一般的なコンクリートの約1/10と言われています。
      他の外壁材と比較しても、非常に優れた断熱性を持っていることがわかります。


      ●耐火性・防火性が高い
      ALCパネルは主原料が無機質の珪石やセメントなどで構成されているため、燃えにくい外壁材として有名です。
      また、万が一燃えた際にも有害物質が発生しません。
      一般的なサイディング(14mm)に比べて2倍以上の厚さ(37mm)もあるので、耐火性に加えて防火性も高い外壁材といえます。


      ●遮音性が高い
      ALCパネルは遮音性が高いです。これは、ALCパネルに含まれている多数の気泡が音を吸収するためです。
      その遮音性は、体感値で音の大きさが半分に減少するほどと言われています。
      自動車や電車の騒音、さらに上や下の階の生活音を防ぎたい場合、ALCパネルはおすすめです。


      ●調湿性に優れている
      ALCパネルは調湿性にも優れています。
      多孔構造であるALCパネルは、室内にある空気中の水分量をコントロールすることで、結露の発生を抑えて空調を快適にします。
      湿度が高い場合は湿気を吸い、乾燥している場合は湿気を吐き出すという機能があるので、湿度を一定に保ちたい方におすすめです。

       

      ALCパネルのデメリット


        ●水に弱い
        ALCパネルは水に弱いです。
        これは外壁内部に細かい気泡が含まれており、吸水性が高いためです。
        ALCパネルはサイディングなどと異なり外壁内部に透湿シートを張らないため、水を吸収してしまうと外壁がひび割れ、欠落の原因になります。
        そのため外壁にALCパネルを使用する場合は防水性の高い仕上げをする必要があります。


        ●コーキングからの雨漏りのリスクがやや高い
        ALCパネルは、一枚当たりの幅が305mm・605mmと他の外壁材に比べ小さめに規格されています。
        そのため同じ外壁面積でもコーキングによるつなぎ目が多くなり、その分だけコーキングからの雨漏りのリスクが他の外壁材よりも高いです。
        コーキング材は、外壁に関する材料の中でも最も劣化が早いため、少なくとも10年に一度は打ち増し(もしくは打ち替え)を行いましょう。


        ●価格が高い
        ALCパネルは、一般的なサイディングボードなどと比較すると価格が高いです。
        サイディングボードの3倍~4倍、モルタルの3倍ほどの費用がかかるので、コスト面では若干のデメリットがあるといえるでしょう。
        とはいえ、ALCパネルには高額な分、高品質ではあります。
        ALCパネルは、品質を担保するために「JIS A 5416」という日本工業規格の認証を取得した企業でないと生産できません。
        この規格は日本で3社しか認証されておらず、この事実からALCパネルの品質の高さが伺えるはずです。

         

        ALCパネルの塗装時期を判断する方法

        以下のような劣化症状がALCパネルに起きていた場合は、塗替えの検討が必要です。

        チョーキング 塗膜が紫外線のダメージで劣化して、成分に含まれる顔料が表面に粉となって出てきた状態
        変色・退色 紫外線によって色あせが起きた状態。チョーキングと同時に起きる。
        クラック コンクリート表面にひび割れが起きた状態
        カビやコケ コンクリートが劣化して水分を溜め込むようになり、カビやコケが繁殖しやすくなった状態
        コーキングの劣化 目地に入っているシーリングという樹脂が紫外線により劣化している状態
        爆裂 コンクリート内部に雨水などが浸水し、内部の鉄筋が錆びて内側からコンクリートを押した結果、コンクリートが欠けてしまった状態


          新築時のALC外壁は、アクリル塗料などの安価で耐久性が低い塗料で塗装が済ませられていることが多く、ALCコンクリート表面にある気泡の穴が塗料で埋められていないケースもありますので、塗膜が耐久性を失ってしまう前に新築から6~7年目には塗替えを行うことをおすすめいたします。

          ALCパネルはコーキング材の補修も大切




            コーキング材とは、外壁材の目地から水が浸入するのを防ぐために注入される樹脂性の防水材のことで、ALC外壁のほかサイディング壁の目地にも使われ、モルタル壁でもサッシ廻りなどに詰められています。
            コーキング材は約10年の耐久性を持っていますが、年数が経つと固くなり防水機能もなくなるため、外壁を塗り替える際にはコーキング材も一緒に処理をする必要があります。
            コーキングがALCパネルの断面から剥がれている場合は既存コーキング材撤去を行い「打替え」を行います。
            打替えとは既存のコーキング材をすべて撤去し新しく詰め直す作業のことですが、劣化していない箇所を残して削り取り体積が減った分だけ注入する「増し打ち」という補修方法もあります。

            築10年程度の家であれば上からコーキングを充填する増し打ちでも問題はありませんが、既存コーキングの劣化が進んでいた場合は増し打ちしたコーキングもろとも剥がれ落ちてしまう恐れがあるため、コーキングの劣化を根本から補修するのであれば打替えを選んだ方が良いでしょう。

             

            最後に

            以上のようにALCパネルには断熱性や耐火性など高い機能がありますが、塗装の色あせや表面のひび割れなどを常に補修しておかなければ、徐々に耐久性を失ってしまいます。
            ALCパネルの特徴を生かし、現在の外壁の状況に合わせた塗装を行うことで外壁の耐久性を伸ばし、快適なお住まいを維持しましょう。


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            また弊社の大切にしていることとして、塗装後もキレイを保つことです。
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            この記事を書いた人

            代表取締役 戸髙 勇樹

            保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者

            業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。

            出身地:北九州市小倉北区

            コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
            塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

             

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