2024/06/25
外壁塗装や屋根塗装で使用している塗料ですが、常に新品未開封品を毎回開封して使用しているわけではないということを知っていましたか?
多くの塗装業者が使用している塗料は、一般的にすでに開封された塗料も多く使用されているのです。
この事実を知っているのといないのとでは、塗装に対するイメージが大きく変わってくるかと思います。
しかし、これが本当に問題のない行為なのでしょうか?
今回のお役立ちコラムでは「意外と知らない塗装の真実」についてお話しさせていただきます!
塗料は毎回新品を開けるわけではない
外壁塗装や屋根塗装をする場合、塗料は常に新品を開封しているわけではありません。これは、仕方がないことなのです。むしろ、すでに別の現場で開封されている塗料の方が多いでしょう。
これに問題はないのでしょうか。
●●開封された塗料の特徴
塗料には2種類存在することを知っていますか?
・1液性
・2液性
1液性というのは、缶に詰められた時点では液状を保っていられるのですが、開封して空気と触れた瞬間から少しずつ硬化しはじめる塗料です。このタイプは、開封してから「できる限り早く使い切る」というのが原則となっています。
一方、2液性の塗料は、1液と2液を混ぜ合わせることで硬化が始まるタイプです。そのため、開封しても品質低下の速度が緩やかで、比較的長期間使用することができるとされています。
●●余った塗料を使用しても問題ない?
依頼された側からすれば、中古の塗料で塗られたら良い気はしません。しかし、これは塗装業者の中では一般化されていることで、決して不思議なことではないのです。
ただし、細かいところを考えると、すでに酸化が始まってしまっている塗料で全ての工程を終わらせるのは望ましくないというのは、プロの目から見ても感じること。
そのため、弊社では最終段階のトップコート(上塗り)は、基本的に新品未開封の塗料を使用すべきだと考えています。
全てを開封品で塗り上げる業者もいますが、弊社としてはトップコートまで開封品で仕上げるということは考えていません。
●●なぜ開封品を使用するの?
塗料の入った一斗缶は、内容量が「18L」と定められています。重さでいうと「15kg」となっており、この量を1度に使い切れるかというと、ご依頼いただく建物の規模によって差が出てしまうのです。
アステックペイントの「超低汚染リファイン1000MF-IR」で具体的に見ていきましょう。
商品名 | 超低汚染リファイン1000MF-IR |
荷姿 |
16kgセット(A液:15kg B液:1kg) or 3.2kgセット(A液:3kg B液:0.2kg) |
液型 |
二液型 |
塗布量 |
0.30~0.40㎏/㎡ |
(抜粋:アステックペイント 超低汚染リファイン1000MF-IR)
注目いただきたいのは「荷姿」と「塗布量」です。
先ほどもお伝えしたとおり、一斗缶は15kgで詰められています。それにB液として硬化剤が1kg別の容器に入ったものが「大缶」になります。もう1つの3.2kgセットは「小缶」です。
そして、塗布量が「0.30〜0.40kg/㎡」と記載されています。これがわかると、なぜ塗料が余るのかが理解できるのです。
まず、延べ床面積が30坪(約100㎡)ほどの建物の多くは110〜170㎡という壁面の建物が多いです。
この場合、1㎡あたり0.30〜0.40kgの塗料で塗ることができる超低汚染リファインでは、15kg缶で37.5〜50㎡しか塗ることができないのです。
仮に110㎡の塗装面積だったとして、上塗りは2度塗りが原則となるので220㎡塗装することになります。
うまく塗った場合は0.30kg/㎡が最小塗布量で作業が進むのですが、220㎡を塗るには大缶が4.4個必要になるという計算になるわけです。
つまり、66kgの塗料が必要になるわけですね。
では、残った9kgは廃棄するのでしょうか?
この残った9kgが、今回のテーマでもある「新品未開封品ではない塗料」になるわけです。
残った塗料を廃棄するとなると、SDGzの精神に反する行為になる上に、9kg分を依頼者様に請求することもできません。
そのため、この塗料は塗装業者の「在庫品」としてしっかりと冷暗所にて直射日光を浴びないように管理します。品質の低下を避け、実用に耐えうる状態をキープしているので、塗装の土台となる部分で使用するのであれば十分に問題なく使用できるのです。
ここで問題になるのが「小缶」の存在です。
小缶は3kg入りなので、2缶でちょうど6kgになります。大缶4つと小缶2つあれば、ピッタリ66kgになるわけです。
これであれば完全にピッタリの量が全て新品未開封の缶で作業できるじゃないか!
ちょっと思い出してみてください。
塗装面積110㎡の場合で、最小の量で仕上げた場合という条件での話が「66kg」になるので、少しでも面積が増えたり、状況によって多めに配合しなければならなかったりすれば、この量も増減するのです。
そのため、最小量で材料発注するというギャンブルはできません。多少の余力を持った量での材料を用意するのが一般的なのです。
在庫塗料を使用する業者は低質?
在庫塗料を使用すること自体は、決して間違ったことではないと考えます。むしろ、必要な材料を全量買取の形で請求するような形でなければ、残った塗料を産廃処理しなければならないうえに、なにより勿体無いです。
例えば、自動車のオイル交換をする際、指定のものがなければ工場が保管している大型タンクの中から指定量を出して注入しています。また、料理を注文する際も、毎回新品の油を1食分ずつ開けているわけではありません。
塗料も同じで、常に新しい材料だけを使用できるとは限らないのです。
●●無断で在庫塗料を使用すべきではない
塗装業界の常識だったとしても、開封されている塗料で作業をスタートされるのは、依頼者様にとって違和感を覚えるシチュエーションでしょう。
そのため、初めから在庫塗料で作業をするような場合には、事前に了承を得てから使用するのが最低限の礼儀だと思います。
または、開封品がいくつか重なってしまい、在庫が増えている状況で価格の交渉をされた場合などであれば、在庫処理をさせてもらうという条件で若干の値引きが可能というような提案ができるでしょう。
無断でいきなり在庫品で塗り始められてしまったとすれば、新品未開封品の塗料で作業されると思っている依頼者様はショックを受けてしまうはずです。
そのようなことがないように、在庫品を使用する際には一声かけるというのは誤解を生まないためのマナーだと考えます。
上塗りで在庫品を使うのはあり?
弊社では「ナシ」です。
最後の見栄えに関わる部分になってくるので、酸化した塗料で仕上げるのは気分的に許せません。
それこそ、価格交渉の末にトップコートまで在庫品を使用するということはあっても、できれば安心して仕上げられる塗料を使用したいのが本音です。
万が一在庫品を使用したことによって早期劣化が発生してしまっても、それを保証することができません。
そのため、弊社では指定条件がない限り、トップコートは新品未開封の塗料を使用することを徹底しています。
外壁塗装・屋根塗装はベストホームにお任せください!
在庫の塗料を使用するというのは、塗装業者としては決しておかしなことだとは考えていません。しかし、ほんの少しの気遣いができるかどうかというのが、心象に影響するものだと思います。
同じように開封されたものを使用するにしても、一声あって使用するのか、無断でいきなり使い始めるのかは見え方も感じ方も違うでしょう。この辺りでも、ベストホームでは気を配るようにしています。
新品未開封の塗料は酸化していないという点でも安心できる塗料です。これから外壁塗装や屋根塗装を依頼しようとお考えの際には、ベストホームが自信を持ってお届けできる材料でお住まいのメンテナンスをしませんか。
北九州市のお住まいのメンテナンスは、ベストホームにお任せください。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。