2024/06/25
どんな建物でも、トラブルはつきものです。劣化しない建物は存在しないため、経年劣化が進めば自然とトラブルは発生してしまいます。しかし、それを未然に食い止めるためにメンテナンスを行わなければなりません。
戸建て住宅・アパート・マンション・工場など、建物の特性によってトラブルの性質が少しずつ異なります。
今回のお役立ちコラムでは 「工場の雨漏りの原因について」屋根材や外壁材の関係性を考えていきたいと思います。
工場の雨漏りの原因【屋根】
工場の雨漏りの多くは「屋根からの雨漏り」になります。なぜ屋根から雨漏りが発生するのかをしっかり理解して、どのような対処が必要なのかを考えてみましょう。
●●屋根材の劣化・錆
工場の屋根材は、多くの紫外線を一挙に引き受けているため、劣化する速度が比較的速いです。そのため、定期メンテナンスを怠ってしまうと劣化症状が簡単に現れてしまうでしょう。
・ひび割れ
・欠損
・滑落
・錆の発生
・カビや苔の発生
直接雨漏りの原因となるのは「ひび割れ・欠損・滑落」のような「屋根材そのもののトラブル」です。ひび割れが進めば雨が入り込む隙間になりますし、欠損した場所は雨を防げません。滑落している場合は、屋根材そのものがなくなっているので論外な状況です。
さらに、屋根材が錆びれば穴が空いてしまうので、これも時間経過とともに雨漏りの原因となると言えるでしょう。
カビや苔の発生は、そこに水分が溜まりやすい状況があるため、いずれは大穴が開いてしまう可能性が考えられます。
●●屋根材の固定具の錆
屋根材の固定具は、一般的に金属製のボルトです。金属製ということもあり、さらに「屋根材よりも重要視されていない」という特性上、案外粗悪な材料が使用されていることも少なくありません。
その結果、屋根材以上に錆が発生しやすく、サビの隙間から雨漏りが発生してしまうのです。
●●シーリング材の劣化
シーリング材は、工場の屋根の防水の要と言っても過言ではありません。ここが劣化すれば、防水性能は陥落したものと思っても良いでしょう。しかも、紫外線の影響で比較的速い段階で劣化が進んでしまうので、屋根塗装時には確実に打ち替えておくことをおすすめします。
工場の雨漏りの原因【外壁】
屋根の雨漏り原因がわかったところで、今度は外壁からの雨漏りに関しても考えてみましょう。多くの雨漏りは屋根が原因ですが、外壁からの雨漏りも発生しやすいのです。
●●外壁材の劣化・錆
外壁材も屋根材と同じような劣化症状が発生します。
・ひび割れ
・欠損
・錆の発生
スレートや金属材の外壁であれば、これらの問題から雨漏りが発生する可能性があるでしょう。ひび割れに関しては、早い段階での補修によって進行を食い止める必要があります。
もし、進行が進んでしまうと、基礎部分への流れ込みの恐れもあるため、土壌改良した地盤にも影響が出る恐れがあるでしょう。
●●外壁材の破損
外壁材は、意外にも破損する機会が多いです。即に、周囲に駐車スペースがあったり、積み上げた荷物が置かれていたりすると、破損する機会はかなり多いでしょう。
駐車スペースがある場合、衝突事故が発生しやすいので、ブロック塀等で擁壁を設けていたとしても被害が発生しやすいです。また、積み上げた荷物は、荷崩れを起こした際に外壁にぶつかり破損させます。
敷地内の駐車スペースに擁壁がない場合には、直接車がめり込むこともあるでしょうし、排気ガスの影響で外壁が汚れることも劣化原因と考えられるのです。
●●コンクリートのひび割れ
スレートや金属材のような「パネル式の外壁」ではなく、コンクリートで作られた外壁の場合は、ひび割れによって雨が染み込んでしまうことも十分に考えられます。しかも、ひび割れの許容範囲は、ヘアークラックと呼ばれる0.3mm以下の幅までで、それ以上のものは構造クラックと名称が変わり、一気に雨漏りのリスクが膨れ上がります。
ほんの少しのひび割れでも、内部の鉄筋まで雨が染み込んでしまえば、内部で錆が発生してしまいます。これが原因で内側からコンクリートを圧迫するようになり、外壁表面が鉄筋爆裂によって大きな損壊を負うこともあるということを覚えておいてください。
屋根の補修方法
屋根からの雨漏りが発生した場合、どのような対処が必要なのでしょうか。雨漏り時の補修方法について考えてみましょう。
●●屋根材の劣化
屋根が劣化して雨漏りが発生してしまった場合、被害状況によって対応が変わってきます。
ひび割れからの雨漏りであれば、まずは補修をかけて様子をみます。シーリング材でひびを塞いで見て、それでも屋根材から染み込んでしまうような劣化症状が見られるような場合は、劣化している部分を交換しなければなりません。
屋根塗装で対処できるのは「屋根材の耐久性が安定している」間だけです。耐久性が期待できない状態、形を保っているだけで防護壁としての役目を果たせないような状態になった際には、早急に交換対応が必要になるでしょう。
欠損も、パーツの大きさによっては即交換対応が必要になります。小さな欠損であれば、パーツを接着して対応可能な場合もあるのですが、パーツが紛失していて、しかも範囲が大きいようであれば、十分な防水性を期待できなくなります。
滑落は言うまでもなく、新しいものを用意しなければなりません。
金属屋根が錆びている場合は、錆を落としたあとに錆止めを施し、しっかりと穴埋めをした状態で屋根塗装をするのが一般的です。ただし、広範囲に穴が開くほどの錆が発生しているような場合は、葺き替えるか、カバー工法で屋根を覆ってしまうことが多いでしょう。
●●屋根材の固定具の錆
屋根材を固定しているボルトが錆びている場合、再利用が可能であれば錆止めを施して、防水塗料で保護して対処してしまいます。しかし、固着してしまい緩めることすらできな程のサビになってしまっている場合、フックボルトを新しいものに変えてしまうケースが多いです。
素材によっては数十円ほど、高いものでも数百円という材料なので、劣化状況に合わせて交換修理を提案することも多いです。その際、コストを抑えるために錆びやすい安い材料を選ぶか、ステンレス製の高めの材料を使用するかは、依頼者の皆様の判断にお任せしています。
修理の場合も交換の場合も、必ず防水塗料による保護が必要です。
●●シーリング材の劣化
屋根塗装をする際には、必ず打ち替えをご提案しています。塗料よりも若干長めの耐用年数を持っているので、状況の確認画像では劣化していないように見えることも多いです。しかし、翌年以降は屋根塗装時とは比較できないほど劣化が進行してしまい、ひび割れや収縮した状態になってしまうでしょう。
後日雨漏りが発生したとしても、打ち替えをしていないことによる雨漏りの場合は保証の対象外になります。
外壁の補修方法
外壁の修理方法についても簡単に見ていきましょう。屋根よりも補修か交換かの判断は早くなります。
●●外壁材の劣化・錆
外壁材の劣化は、基本的に「補修」で対応していきます。そして、適切なメンテナンス周期での外壁塗装を行うことで外壁材の寿命を引き延ばすという方法をご提案することが多いです。
●●外壁材の破損
破損してしまった場合は「パネル交換」もしくは「カバー工法」をご提案することが多く、できる限り早期解決に向けた対応が必要になるでしょう。地面に近い部分が破損するケースが多いので、機材等が水濡れする可能性が高くなってしまいます。
●●コンクリートのひび割れ
基本的には早期の補修で対処するのが一般的です。カバー工法や張り替えはできないので、しっかりとひび割れを埋め込んで、進行を防ぎます。
工場雨漏りでお困りですか？ベストホームが解決へ導きます！
工場の雨漏りは、屋根材や外壁材の劣化が主な原因です。屋根材のひび割れ、欠損、錆、固定具の劣化、シーリング材の劣化などが雨漏りを引き起こす可能性があります。外壁材も同様に、劣化や破損、コンクリートのひび割れなどが雨漏りの原因となります。
これらの問題を放置すると、建物の構造に深刻なダメージを与え、業務に支障をきたす可能性もあります。定期的なメンテナンスと早期の補修が重要です。
ベストホームでは、工場の雨漏りに関するご相談を承っております。専門家が状況を診断し、最適な補修方法をご提案いたします。雨漏りの不安を解消し、安心して工場運営を続けられるよう、ぜひベストホームにご相談ください。お問い合わせは、問い合わせフォーム、メール、お電話、またはショールームへのご来店にてお待ちしております。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格：外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴：約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地：北九州市小倉北区
コメント：創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
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