2024/07/07
「サイディングに外壁塗装は必要ない」という話を聞いたことがあるなら間違いです。サイディングにも外壁塗装は必要です。定期的にメンテナンスをしないと、他の外壁材と同じく劣化します。
サイディングが劣化すると、さまざまな問題につながるため注意が必要です。よく見られる劣化症状に「塗装のはがれ」があります。また、サイディングに触れて指にチョークの粉のような粉末が付いたら要注意です。チョーキング現象と呼ばれており、サイディングの劣化を示しています。ヒビ割れ、カビ・苔・藻が発生する場合も、劣化を示しているのです。
例にあげた劣化サインは、外壁塗装の機能低下を示しています。外壁塗装の機能性がなくなればサイディングを守れません。結果、雨漏りや白アリのような大問題に発展します。
家を建てる際、施工業者から「サイディングは外壁塗装の必要がない」と言われたら根拠を確認してください。納得のできる答えが出なければ悪質業者の可能性さえあります。たとえ納得のできる答えでも、依頼するかどうかは時間を設けたほうがいいでしょう。
そこで今回のお役立ちコラムでは、サイディングと外壁塗装について外壁塗装のプロの視点からお話しします。
そもそもサイディングとは?
サイディングの多くは窯業系サイディングと呼ばれるものです。「一般社団法人日本窯業外装材協会」によると、2023年の販売量は88,300,000平方メートルでした。PayPayドームの敷地面積で換算すると、約1,044個分の規模です。2024年の戸建て住宅市場の外壁材素材別シェアでは80.2%と圧倒的です。窯業系サイディングの前に主流だったのは、モルタル仕上げの外壁材でした。
しかしモルタルには、ヒビ割れや品質の不安定さという課題があったのです。課題を解決して誕生したのが1964年に登場した窯業系サイディングです。
●●主流の窯業系サイディング
窯業系サイディングの主原料は、セメント質原料です。他にもパルプや木繊維のような繊維質の原料も使います。原料を成型し硬くしてから塗装した外壁材です。なお、窯業系の窯(よう)とは「窯=かま」を指します。
陶芸では窯を使ってお皿や花瓶を作りますが、サイディングも同じです。サイディングも高温・高圧の窯で硬くするため「窯業系」という名前が付けられています。また、サイディングは現場ではなく、工場で板材として成型されるため品質が安定しているのもメリットです。
窯業系サイディングは、さまざまな建物で採用されています。戸建て住宅だけではなく、店舗や公共施設の他、中高層の建物でも使われています。ただし、サイディングは窯業系だけではありません。金属系や木質系、樹脂系なども登場しています。
●●通気工法と直張り工法がある
サイディングを施工する際に検討する工法には、通気工法と直張り工法の2種類があります。
通気工法
直張り工法
これらは通気工法と直張り工法の特徴です。胴縁(どうぶち)とは壁に使われる下地部材を指します。通常、サイディングや合板などの、壁の強度を高めるために用いられます。胴縁を設けない場合、曲がる可能性があるからです。なお、直張り工法では用いられません。鉄筋コンクリートのRC構造の建物も同様です。外壁材単体が風圧に耐えられるだけの強度があるからです。
透湿防水シートとは、建物の外壁や屋根に貼り付けるシートを指します。湿気を通すことで、水滴対策ができるシートです。雨水を防ぎますが、家の中の湿気は通す役割を持っています。サイディングにヒビや割れのような問題が生じて雨水が侵入しても、透湿防水シートで防げます。しかし透湿防水シートも劣化するため、サイディングの劣化と同様に注意が必要です。
●●通気工法が主流になっている
2000年以降、ハウスメーカーや工務店では標準装備として通気工法を採用しています。外壁の劣化原因である湿気対策は、直張り工法よりも通気工法が適しているからです。そもそも通気工法は湿気による内部結露対策のために開発された側面もあります。
直張り工法は胴縁を取り付けません。透湿防水シートとサイディング間に通気層ができないのです。通気層がないと湿気が外壁の内部に溜まりやすくなります。また、サイディングは水によって劣化しやすい材質です。サイディングの内部に湿気が溜まれば、劣化が早まるリスクがあります。
●●直張り工法はメンテナンスの際に問題が起きやすい
ジョイント用の金物であるハットジョイナーが使用されていない場合も問題が生じやすいのです。通気工法では「ハットジョイナー」というジョイント用の金物を使用します。サイディングは一枚ではなく、複数のサイディングを貼り付けていきます。各サイディングの間には目地という隙間ができてしまうため、シーリング材るのです。目地を埋めないと、雨水やホコリが建物の内部に侵入します。
その目地に充填(じゅうてん)するのがシーリング材です。充填とは隙間や欠けている部分に物を詰めることを指します。シーリング材はホームセンターではコーキング材という名称でも販売されています。シーリング材は充填のための材料です。サイディングの目地にシーリング材を充填して隙間を埋めていきます。
●●直張り工法はメンテナンスの手間がかかる
シーリング材も一般的に10年程度で劣化すると言われています。劣化したらシーリング材の打ち替えというメンテナンスが必要です。ただし直張り工法では、打ち替えに問題が出てきます。
打ち替えは、古いシーリング材をカッターではがす作業です。直張りでは通気層という空間がありません。シーリング材をはがす際、透湿防水シートに傷がつきやすいのです。職人はかなり気を遣わなければならないため、直張り工法は減少傾向にあります。
サイディングの劣化症状の代表例
サイディングの劣化症状を知っておくことは、外壁塗装のタイミングを考える上でも重要です。サイディングの表面に劣化症状が現れたら、外壁塗装を考えたほうがいいでしょう。早めに対処しないと、外壁からの雨漏りにつながります。
カビ・苔・藻の発生
塗装がはがれる
チョーキング現象
ヒビ割れ(クラック)
シーリング材の劣化
●●チョーク現象のメカニズム
上記の劣化症状でわかりやすいのがチョーク現象です。外壁塗装で使う塗料には、顔料や樹脂や添加剤が含まれています。塗料を外壁に塗ると溶剤や水分が蒸発します。溶剤や水分が含まれている樹脂が固まり塗膜が形成されるのです。形成された塗膜が、風雨や紫外線から外壁を守っています。
塗膜も風雨や紫外線を受け続けると劣化します。劣化する際、樹脂や顔料などが分離します。分離が進むと出る白い粉の正体は顔料です。顔料が出ているわけですから、保護のための塗膜は機能していないと言えるでしょう。
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サイディングも他の外壁材と同じく、外壁塗装が必要です。放置すれば経年劣化が進む可能性もあるため、早めのメンテナンスが必要です。サイディングの外壁塗装やメンテナンスのお悩みは、ベストホームにお任せください。ホームページのお問い合わせフォームやお電話の他、メールでも承っています。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
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