2024/07/13
梅雨入り前から台風シーズン入りを目前に控える今の時期、毎年どこかで大規模なメンテナンスを行うマンションを目にすると思います。これは、決してパフォーマンスではなく、実際に必要なメンテナンスを行うことで、建物の健全性を維持するための対策です。
この対策を口実にして、悪徳業者は一般消費者に擦り寄ってきます。事実、建物のメンテナンスは重要なのですが、建物ごとに必要なメンテナンスは異なる上に、劣化状況だって同じではありません。
今回の記事では「悪徳業者による強引な屋根塗装などの営業による被害」についてお伝えしたいと思います。
よくある屋根修理詐欺の手口
悪徳業者は、多くの場合「飛び込み営業」によるアプローチを仕掛けてきます。しかも、かなり信憑性の高い声かけをしてくるため、騙されてしまう方も頻発している状況です。心配になるような情報を織り交ぜてくるので、慌てて工事依頼してしまうこともあるでしょう。
そのような場合でも「クーリングオフ」できるということを頭の片隅に入れておきましょう。
では、悪徳業者がどんな手法で屋根塗装の必要性を訴えてくるか、その一例についてご紹介したいと思います。
●●偶然を装った声かけ
周囲のマンションでメンテナンスが始まると、その工事業者を装って声かけしてきます。事実、高い場所からは屋根の劣化状況が見えてしまい、メンテナンスが必要だと判断できる建物が把握できるのは間違いありません。
しかし、他の現場に入りながら営業しに行くという事はあり得ないのです。この事実を忘れないでください。
●●不安を煽る心理的アプローチ
屋根にちょっとした不調があった場合、できる限り早めの対処は必要ですが、それを必要以上に誇張して危険性を訴えることは「恐怖扇動」という悪質な勧誘行為に該当します。
もし、今にも落ちそうな屋根材がぶら下がっているのであれば、不安を煽るのではなく「実際に危険な状態」と言えますが、将来的に発生する可能性があるリスクを、あたかも今起きてしまうというような方法で説明された場合には、一旦距離を置いてください。
●●専門用語でダメ押し
悪徳業者ほど「専門用語」を使って話をわかりづらくしてきます。多用されるのが「瓦にロックがかかっている」という表現です。長年塗装業界に籍を置いていますが、このような表現を一般消費者に対して使用する事は1度たりともありません。
屋根塗装の悪徳業者が近づく建物の特徴
悪徳業者は、いくつかの特徴を持った地域に現れる傾向にあります。また、建物を見て劣化症状を確認すると、どんなに小さなものでも大袈裟に危険性を示唆してくるという共通の特徴を持っているということを覚えておいてください。
これらの特徴について、詳しくご説明しましょう。
●●周辺でメンテナンスをしている建物がある
マンションのような大きな建物に足場がかかると、どこから見てもメンテナンスをしている状況が把握できます。その状況を巧みに利用して、悪徳業者は詐欺を働くということを覚えておきましょう。
足場がかかると詐欺業者がうろつくというのは、外壁塗装業界では非常に多く発生する問題です。一般的な戸建て住宅に比べると、マンションやアパートなどの「賃貸物件・分譲住宅」は、高頻度でメンテナンスを行っています。
その状況を例に出し、建物はメンテナンスしなければならないという営業トークを繰り広げるのです。
●●見た目で「ひび割れ」が発生している
●●屋根の綻びが確認できる
屋根の劣化は、専門家が見れば「ちょっとした症状からも判断できる」ものです。しかし、地上にいてほとんど屋根が見えないような状態では、的確な判断なんてできません。屋根に直接のぼり、その目で確認して初めてわかるような問題になります。
近隣の屋根に登っている業者であれば、確かに劣化症状を横目に見ることはできるでしょう。しかし、わざわざ屋根から降りて声をかけるくらいなら、その場から声をかけた方が信憑性があるとは思いませんか?
つまり、飛び込み営業のように声をかけてくる業者は「直接屋根を見たわけではない」ということを覚えておいてください。
・完全に漆喰が抜けてしまったいるのが確認できる
・スレートに草が生えてしまった
・瓦がズレている
こんな症状が目に見えて確認できる場合であれば、ある程度声掛けがあっても仕方がありません。しかし、通常の業者であれば、決して「そのままだと被害が発生する」なんて不安を煽るような事は言いませんので、不安を煽るような言葉をかけてきたら「ベストホームに相談」することを思い出してください。
悪徳業者による屋根修理詐欺事例
2023年に実際にあった、屋根修理を語る詐欺被害の事例をご紹介します。この事件は、当事者が消費者庁に助けを求めることができたため、被害を免れることができた事例になります。
●●株式会社日本ハウジングが行う屋根瓦及び漆喰の修理等の役務の取引
2023年1月27日の情報ですが、消費者庁は「株式会社日本ハウジング」が行う屋根瓦及び漆喰の修理等の役務の取引に関する注意喚起を行いました。以下は、消費者庁が公開している本事例に対する詳細情報です。
関東経済産業局が令和5年1月26日付けで、特定商取引法に基づく業務停止命令等を行った株式会社リオテック(以下「リオテック」といいます。)が、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(不実告知及び威迫困惑による解除妨害)を行っていることが確認されたところ、今後、同様の手口による取引が埼玉県さいたま市北区に所在する株式会社日本ハウジング(以下「日本ハウジング」といいます。)(注)によって繰り返し行われる可能性が高いと認められたことから、消費者安全法第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。 また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。 (注)同名の別会社と間違えないよう会社所在地なども確認してください。 |
(引用:消費者庁)
実際にどのような話だったのかをご紹介しましょう。
●●クーリングオフできないという嘘をついた
本事例では、リオテックが「クーリングオフを妨害した」ことが一つの問題として取り上げられています。
リオテックは、 少なくとも令和3年3月から同年10月までの間に、 特定商取引法に規定する訪問販売に係る役務提供契約の解除(以下「クーリング・オフ」といいます。)を妨げるため、実際には、本件役務提供契約は、 クーリング・オフをすることができるものであるにもかかわらず、本件役務提供契約のクーリング・オフを申し出た消費者に対し、「足場などを手配しているため、クーリング・オフはできません。」、「訪問販売ではないからクーリング・オフはできませんよ。解約すると材料費、人件費で約100万円の違約金がかかります。」、「修理であって、物は売っていないので訪問販売ではない。クーリング・オフできない。」、 「クーリング・オフなんてできない。本人以外から電話があったし、クーリング・オフは認めない。」、「違約金として契約額の40パーセントを払ってもらう。」などと、あたかも本件役務提供契約をクーリング・オフすることができないものであるかのように告げるなど、契約の解除に関する事項について不実のことを告げる行為をしていました。 |
(引用:消費者庁)
屋根修理などでは、確かに物品販売を行なっているわけではなく、作業という「役務提供」になります。しかし、特定商取引法には「役務提供も訪問販売に該当する」と定められているため、クーリングオフの対象なのです。
本事例では明らかなクーリングオフの妨害が行われているので、本来の「8日間」という期限に縛られることなくクーリングオフができるということも覚えておきましょう。
●●劣化症状に対し嘘の報告をして契約した
実際の劣化症状を誇張し、必要ない工事まで行おうとして多くの「嘘」をついたということも問題として取り上げられました。
リオテックは、 少なくとも令和2年7月から令和3年10月までの間に、事前に連絡をせず、突然、消費者の自宅を訪れ、 本件役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、消費者宅の屋根について、 実際には、 瓦のずれや防水シートの劣化等の不具合が生じていないにもかかわらず、当該消費者に対し、 「この状態だと雨漏りする。」、「すぐに工事をやった方がいい。」、 「瓦がずれているので、固定した方がいい。棟瓦の固定は、●万●,●●●円でできる。」、 「瓦を2、3枚はがしてみたら、中が全部だめ でした。下地をして、それから瓦をもう1度敷き直さないといけない。 防水シートがこんなになっているから、防水シートの工事は絶対に必要です。」、「もっと酷くなり、屋根が崩れたりして雨漏りもしますよ。 」、「早く今のうちにやった方がいいです。」 などと、 あたかも当該消費者宅の屋根の瓦や防水シート等について、直ちに修理を必要とする不具合が生じているかのように告げるなど、 顧客が役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項について不実のことを告げる行為をしていました。 |
(引用:消費者庁)
不実告知(虚偽の説明)は、特商法で「不当な勧誘行為」として禁止事項に定められているのです。
●●脅迫行為があった
強迫・強要・恫喝などは、明らかな不法行為であることがわかります。本事例ではこのようなことも行われていました。
リオテックは、 少なくとも令和3年10月、 クーリング・オフを妨げるため、 本件役務提供契約についてクーリング・オフの通知を送付した消費者に対し、「なんで、そういうことをやるんだ!解約した理由は!?」などと大きな声を張り上げて迫り、強い口調で怒鳴ったり、「クーリング・オフなんてできない!本人以外から電話があったし、クーリング・オフは認めない!」、「身内でもない人にそんな話して!身内でもない人にクーリ ング・オフの相談しても、こっちは認めない!」などと大きな声で怒鳴るとともに、その様子を消費者の自宅の2階から見ていた消費者の配偶者が、「帰ってもらったら。」と発言したのに対し、「そんな上の方からしゃべってんじゃねえよ。話があるなら下に下りてきな。」などと怒鳴り、また、消費者が、「クーリング・オフの手続きをしたから帰ってくれ。」と明示的に退去を求めても、なお消費者の自宅から退去せずに引き続き、「これはクーリング・オフできない。」などと怒鳴り口調で主張した上、消費者が警察を呼んだ際には、消費者にも聞こえる声量で警察官に対して同様の主張を繰り返し、消費者の自宅に約2時間留まり、消費者を威迫して困惑させました。 |
(引用:消費者庁)
消費者庁では「威迫」という表現をしていますが、これらは以下のような不法行為になります。
・脅迫
・強要
・恫喝
・不法占拠
・クーリングオフの妨害 など
決して小さな罪ではありません。もしこのような状況に陥った場合には、すぐに警察に連絡してください。
悪徳業者の中には「知名度の高い塗装業者」を語る者もいる
有名な業者だからという理由で、安心し切ってはいけません。万が一、手渡された名刺に大手不動産企業の名前や工務店名が入っていたとしても、それだけを信用するのは危険だということを覚えておきましょう。
●●業者のホームページから電話番号を確認してください
有名な企業であれば、必ず自社ホームページを持っています。さらに、そこには連絡先が必ず掲載されているので、その営業マンが所属しているかを確認してください。
もし所属していない人物が「語り」を行なっている場合、それは完全な「詐欺行為」です。少しも不審な点がなかったとしても、訪問営業は必ず「ご自身で確認する」という対策を徹底しましょう。
『怪しい業者』がコンタクトしてきたらベストホームにご相談ください!
これからの時期、圧倒的に悪徳業者による不当な訪問営業が頻発します。この事実を知っていれば、訪問営業で危機を仄めかされたとしても疑う体制が整うはずです。
万が一、営業トークに不安を感じた場合には、一度ベストホームに建物の劣化診断をお任せください。外装劣化診断士が、あなたのお住まいの状況を正しく判断させていただきます。
弊社では、お住まいの状況に合わせた塗装プランのご提案しております。お住まいの状況は環境によって大きく変わります。
だからこそ、プロである私たちがお住まいごと、お客様ごとに最適な塗料・プランをしっかり検討いたします。もちろん、お住まいの状況を確認したいという方もご相談ください。
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また弊社の大切にしていることとして、塗装後もキレイを保つことです。「毎年点検」として、毎年お住まいの外壁塗装の状況を確認させていただいております。
毎年点検することで、前回の点検時との違いや、北九州市に多い雨漏りなどの漏水トラブルが起こっていないかなど、細かに点検しお伝えいたします。顔を合わせる機会が増えることで、お客様にとって住まいに関するお悩みやお困りごとを『気軽に、安心して相談できる』会社を目指しています。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。