2024/02/23
外壁に塗料を塗る方法には「ローラー塗装」「吹き付け塗装」「刷毛塗装」の3種類があります。
近年の外壁塗装工事ではローラーを使った塗装が一般的ですが、外壁塗装工事のすべての工程をローラーによる塗装で完結できるというわけではなく、吹付けや刷毛による塗装を必要とする場合もあります。
今回は3種類の塗装方法の中でも特にローラーによる塗装に関して、詳しくご説明していきます。
塗装で使用される道具は主に「ローラー」「刷毛」「スプレーガン」の3種類です。
現在ではローラーが主流となっていますが、使用箇所や用途によって使い分けられています。
塗装方法においての注意点は?
①使用される道具は現場ごとによって異なる
②ローラー塗装は吹き付け塗装より耐久性が高いというのは間違い
塗装する道具は3種類
冒頭で触れたように、ローラー、刷毛、吹付けによる塗装の中で現在主流の工法はローラーによる塗装ですが、それ以外の刷毛塗装やスプレーガンを使う吹き付け塗装が全く行われていないという訳ではありません。
外壁塗装の職人は建物の形状や現場の環境に応じて、それぞれの道具の長所を活かし短所を補いながら道具を使い分けています。
●●ローラーによる塗装が最も一般的
●ローラー塗装のメリット
- 塗料の飛び散りが少ない
- 塗料の無駄を出しにくい
- 技術が無くても比較的塗りやすい
- 厚く塗りやすい
●ローラー塗装のデメリット
- 細かい部分の塗装には向かない
- 様々なサイズ、毛足の長さのローラーが必要
- 技術が低いと厚さが均一にならない
- 吹付け塗装に比べると作業時間がかかる
最もバランスがよく作業性も高いのがローラーで、細かい箇所の塗装がしづらい、取り扱いが難しいなどのデメリットもありますが、大抵の外壁・屋根の広範囲を塗る道具としては、他の塗装道具よりも優れています。
また塗料を周囲に飛散させにくく、無駄な塗料を消費しなくてもいいという点は、塗装業者側としても依頼主としても部材費の無駄を無くせることから大きなメリットといえるでしょう。
●●刷毛塗りはローラーでは塗りづらいところで行う
●刷毛塗りのメリット
- 狭い箇所の塗装に適している
- 塗り忘れの補修に適している
●刷毛塗りのデメリット
- 塗りムラが生じやすい
- きれいに塗るためには技術力が必要
- 塗膜面にハケの毛が混入しやすい
- 広範囲を短時間で塗装できない
刷毛は扱う人の技術力によって施工に大きく差が出る道具で、未熟な人が塗ると時間がかかったり、塗装ムラができて施工不良を起こしてしまったりと難易度の高い道具といえます。
今でも刷毛は窓枠などを塗ったり細かい箇所を塗るのに使われますが、家の大部分は経験が浅くても的確に塗ることができるローラーが使われています。
●●吹き付け塗装は特殊な模様をつけたい場合に行う
●吹き付け塗装のメリット
- 吹き付けならではの様々な模様がつけられる
- 広範囲に塗装できるため施工時間が短縮できる
●吹き付け塗装のデメリット
- 塗料の無駄が多い(塗料飛散量が多い)
- 臭いも周りに飛散する
- 吹き付けの機械(スプレーガン)の騒音が大きい
- 塗装するのにある程度の技術が必要
ローラーによる塗装が外壁塗装工事において主流となる前までは、スプレーガンという機械で塗料を外壁や屋根に吹き付ける吹付け塗装が主流でした。
しかし、吹き付け塗装は塗料の2割ほどを無駄にしてしまうといわれるほど塗料が周りに飛散し、屋根を塗装する場合は近隣の家にもたくさん塗料が飛んでしまうため近隣住民への配慮も非常に重要です。
ただ、広範囲の外壁や屋根をローラー以上に素早く塗ることができるため、現在も大きな工場などの塗装を吹き付け塗装で行っている外壁塗装業者も多いです。
また、モルタル壁の仕上げにおいて人気があるスタッコ吹き付けやリシン吹き付けといったランダムな模様も吹き付け塗装による施工を行う必要があります。
外壁塗装リフォームの主流はローラー塗り
現在主流であるローラー塗装は、機械を使って塗装する吹付け塗装と区別するために「手塗り」「手塗り工法」などと呼ばれており、使用する塗料の種類や塗る現場に応じて「羊毛ローラー」と「砂骨ローラー」などが使い分けられます。
●●羊毛ローラーとは
羊毛ローラー(ウールローラー、ウーローラー)は、その名の通り羊毛のような見た目のローラーです。
現在は本物の羊毛が使われている羊毛ローラーは少なく、ポリエステルやアクリルなどの繊維で作られています。
●外壁塗装の8割は羊毛ローラーによる塗装
外壁塗装工事では、外壁や屋根などを含めた家全体の約8割を羊毛ローラーで塗装し、残りの細かい箇所や破風板や雨樋などの狭い付帯部分を刷毛で塗装する、という塗り分け方が一般的です。
羊毛ローラーは塗料を均一に塗りやすいローラーですが、素人や熟練度の低い職人でも簡単に塗ることができるという意味ではなく、均一にきれいに塗料を塗るためには羊毛ローラーによる塗装をしっかりと練習する必要があります。
●●砂骨ローラーとは
●砂骨ローラーは塗料を一度にたくさん塗られるローラー
砂骨ローラー(マスチックローラー、多孔質ローラー、パターンローラー、スポンジローラー、模様ローラーなどと呼ぶ場合もある)は、ローラー面に複数の穴が空いているため、塗料を一度にたくさん吸い上げることができます。
ローラーに塗料を吸わせる回数が減って作業効率がよくなりますし、厚塗りを行いたいときや、どろどろで粘度が高い塗料を塗るときにも砂骨ローラーが使われます。
●砂骨ローラーは模様のある外壁には不向き
塗料をたっぷり塗る作業に優れている砂骨ローラーですが、羊毛ローラーと違って、外壁の柄や模様を生かす塗装には向いていません。
その代わり砂骨ローラーは古い外壁の上から全く新しい模様を付けるために行う塗装で使われます。
塗装方法に関する注意点
●●どのような道具で塗装するかは現場ごとに異なる
前述したとおり、ローラーを使った塗装方法と機械を使った吹き付け塗装はどちらのほうが優れているということではなく、
- 家の形や立地条件
- 施主がどのような模様や色を希望するか
- 塗料メーカーからの指示
など様々な条件を考慮した上で、適切な塗装方法を選ぶ必要があります。
優良な外壁塗装業者であれば、施主様が望んでいる模様や色を表現できる塗料を使用し、家の形や立地条件にあわせた塗装方法を選び、近隣への迷惑にも配慮しながら塗装工事を行ってくれるかと思います。
●●ローラー塗装は吹き付け塗装より耐久性が高いというのは間違い
塗装業者の中には新規顧客を獲得するときの謳い文句として、「吹き付け塗装はローラー塗装よりも塗料を薄めて使うことが多く、塗料の膜(膜厚)も薄くなってしまい耐久性に欠けますが、当社はローラーで丁寧に塗るので安心です」とローラー工法のメリットばかりをアピールしてくることがあります。
確かに吹き付け塗装ではローラー塗装のときよりも塗料を薄めて使う場合が多いですが、吹き付け用の機械(スプレーガン)から噴出するために薄めているだけであって、手抜き目的で薄めている訳ではありません。
また、吹き付け塗装は何回も吹きつけて塗料を重ね塗りすることで塗膜を分厚くするため、吹き付け塗装がローラー塗装よりも耐久性に欠けるというわけではないのです。
最後に
このように現在では主流の工法となっているローラー塗装ですが、施工する現場によって向き・不向きがあり、必要に応じて他の施工方法を選び分ける必要があります。
またどんな道具を使っても、使い方を誤ったり、使う職人の技術が伴わなかったりすれば、正しく塗ることはできず施工不良の原因となります。
お住まいの形状や既存の外壁材に合わせて適した工法を選び、しっかり施工してくれる優良業者を選ぶことが重要です。
弊社では、お住まいの状況に合わせた塗装プランのご提案しております。
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この記事を書いた人
代表取締役 戸髙 勇樹
保有資格:外装劣化診断士、一般建築物石綿含有建材調査者、石綿作業主任者、アステックペイント技術認定者
業界歴・経歴:約17年以上。大手リフォーム会社に就職後、一度は塗装業界を離れるも、「人に感謝される仕事がしたい」と、ベストホームに入社。1500棟以上の塗装工事を実施。
出身地:北九州市小倉北区
コメント:創業以来24年、福岡県北九州市を中心に外壁塗装・屋根塗装・防水工事・リフォーム工事を行っております。
塗装工事はどの業者に頼まれても塗ったばかりはキレイだと思います。塗装工事で差が出るのは〈数年後〉です。塗装工事を行い数年経過しないと適正な工事をしたのかがわからない、ここが塗装業者選びの難しいところです。塗装の高品質団体プロタイムズは『社会に貢献できる塗装・社会に誇れる塗装』をご提供させていただきますので、塗装工事でお悩みの際はお気軽にご相談ください。