2023/08/10
屋根塗装の見積りをもらった際に「タスペーサー」という項目が入っているのを目にしたことはあるでしょうか?
業者によってはこの項目が入っている場合と入っていない場合とあります。
今回はタスペーサーとは何なのか?どうしても必要なものなのか?をご説明していきます!
タスペーサーって何?
スレート屋根の場合、屋根材の重なっている部分に水分の排出や通気を促すための隙間が作られています。
数ミリ程度の隙間であるため、屋根塗装をした際に塞がってしまう恐れがあります。
隙間が塞がってしまうと侵入した雨水が逃げ場を失い、雨漏りの原因に繋がってしまいます。
これを防ぐために塗膜で覆われてしまった部分に隙間を空ける「縁切り」という作業を行います。
従来は皮スキやカッターなどを使い塗料が詰まっている部分を剥がしていましたが、
現在はタスペーサーを重ね目に差し込むことで水の通り道を確保するのが主流となっています。
なぜタスペーサーが主流に?
カッターなどを使って行う従来の縁切り作業では
密着した部分をバリバリと剥がしていくためスレートが破損したり、
塗装が剥がれてしまう可能性が高くなってしまいます。
また、塗りたての屋根で作業をすることになるため、どうしても屋根を少し汚してしまいます。
一方タスペーサーなら、下塗りと上塗り工程の間に設置するため屋根を汚す心配がありません。
作業時間の面から見ても、従来の方法だと2人がかりの作業ですが、
タスペーサーの設置は一人で行えるため工事期間が短く済み人件費を抑えられるというメリットもあります。
どの屋根にもタスペーサーは必要?
では、タスペーサーはどの屋根にも必ず設置しないといけないのでしょうか?
設置が必要な場合は以下の2点です。
●●スレート屋根
冒頭のタスペーサーの説明で触れたとおり、基本的にスレート屋根には必要になってきます。
スレート屋根は薄いスレートを重ね合わせているため、他の屋根材と比べて上下の隙間が狭くなっています。
塗装をするとその隙間がさらに狭まってしまうため、タスペーサーの設置が必要です。
●●屋根材の重なり部分に十分な隙間がない
ではスレート屋根には絶対にタスペーサーを設置しなければいけないのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。
まだ一度も塗り替えを行っていないスレート屋根であれば十分に隙間が確保できていることもあるので、
そのようなときには設置の必要がない場合もあります。
最後に
このように、スレート瓦は塗装によっては雨漏りの原因を作ってしまう可能性があるため、
重ね目に十分な隙間を確保できない場合は必ず縁切りを行う必要があります。
せっかく耐久性等にこだわった塗料を使用しても縁切り作業をおろそかにしてしまうと
屋根塗装の効果が最大限に発揮できません。
雨漏りのリスクを回避し屋根の耐久性、美観性を保つためにも、
タスペーサーでの縁切りをおすすめします。
スレート屋根の塗り替えの際はぜひご検討されてみてください!
この記事を書いた人
代表取締役 戸髙