2023/09/10
塗装に使われる塗料は様々な種類に分けられますが、その中でも「1液型」「2液型」という種類があるのはご存知でしょうか?
今回は1液型と2液型の違いや特徴についてご説明いたします!
「1液型」「2液型」とは?
塗料は主剤塗料だけではドロドロとしており非常に塗りにくいため、そのままの状態で塗ろうとしてしまうと時間や手間、
それに伴う人件費がかかってきてしまいます。
そのため少し(塗料全体の数%程度)薄めて塗りやすい状態にしてから塗装を行っていきます。
このときに何で薄めるかによって水性塗料と油性塗料に分けられます。
そこからさらに「1液型」と「2液型」に分けられるのですが、
この1液型と2液型の大きな違いは「塗装時に必要な缶数」です。
●●「水性塗料」と「油性塗料」
・水性塗料
水性1液…「主剤塗料」+水
水性2液…「主剤塗料」+「硬化剤」+水
水性塗料は水道水で薄めるので臭いが少なく、シンナーのような刺激臭がありません。
近隣にも臭いによる迷惑がかかりづらいため、密集した住宅地などでよく使われています。
・油性塗料
油性1液…「主剤塗料」+シンナー
油性2液…「主剤塗料」+「硬化剤」+シンナー
シンナーを使用するため、刺激臭がします。しかし、その分水性よりも耐久性に優れています。
「1液型」「2液型」のメリット・デメリット
1液型と2液型の塗料は「ウレタン」「フッ素」「シリコン」「無機」などのグレードにそれぞれあります。
そのため塗料選びの際には
「塗料のグレードを選ぶ→水性か油性かを選ぶ→1液か2液かを選ぶ」
という流れが一般的です。
では1液型と2液型ではどのようなメリット・デメリットがあるかを以下でご説明します。
●●「1液型」と「2液型」
・1液型
【メリット】
・価格が安い
・使いやすく手間がかからない
・余っても次の日に使える
【デメリット】
・2液型に比べ耐久性が低い
・施工可能範囲が限られる
1液は蓋を開けてすぐに使うことができるため、攪拌する手間がかかりません。
塗装初心者の方でも手軽に塗装をすることができます。
また2液型のような硬化剤が必要ないので、その分価格を抑えられます。
・2液型
【メリット】
・耐久性が高い
・施工可能範囲が広い
・混ぜる前の状態だと保管しやすい
【デメリット】
・価格が高い
・攪拌の手間がかかる
・混ぜたらすぐに使わないといけない
2液型は硬化剤を混ぜて塗装するため、塗膜が強固になり耐久性が増します。
しかし、この2液型の混合比率には決まりがあり、比率にズレがあると耐久性に影響してくるため
攪拌作業は重要な作業です。
また、硬化剤が入っていることによって短ければ3時間ほどで固まってしまいます。
そのため1液型のように余った分を翌日に持ち越すということができません。
その日使う分量をきちんと把握して混ぜ合わせる必要があります。
それぞれの保管期間
前項で少し触れましたが、1液型と2液型では保管期間にも違いがあります。
以下ではその違いについてご説明します。
・1液型
1液型はすでに硬化剤が配合されていることから、どろっとした状態をある程度キープできます。
しかしそれでも少しずつ固まっていくため、約半年~1年ほどで消費期限が来てしまいます。
硬化剤は気温が高いところに置いておいたり、直射日光による紫外線が缶に当たり続けたりしても劣化します。
劣化した硬化剤が入った塗料は硬化不良を起こし、うまく外壁に密着せず外壁の耐久性が落ちてしまいます。
・2液型
2液型は仕入れ時は主材と硬化剤に分けられているため、1液型塗料より長期間保存することが可能です。
しかし先述したとおり硬化剤はデリケートなので、できるだけ製造から日が浅い塗料を使用する必要があります。
これは1液型も2液型も同じです。
2液型の方が保存が利くとはいっても、長期間保存したものよりも製造されたばかりの塗料の方がしっかりと塗膜を形成し
外壁の耐久性を高めてくれます。
最後に
以上のように1液型は安価で手軽に塗装を行いたい方、2液型は手間はかかっても耐久性にこだわりたい方におすすめです。
外壁塗装などでは施工箇所によって使い分けるといった方法もあります。
また保管性については、あまり良くない塗装業者の場合、昔の余った塗料などを使用する場合もありますので、
保管しやすいかどうかにはこだわらず、きちんと直近でメーカーから仕入れたものを使用してくれるかどうかを
重視するのがおすすめです。