2023/12/02
同じ家でも場所によって劣化のスピードや症状が違うことはご存知でしょうか？
外壁や屋根の劣化は築年数だけでなく立地条件にも大きく左右され、日向と日陰でも見られる劣化症状が変わってきます。
どのような症状の違いがあるのか、それに対してどのような施工を行っていくのかを、今回は詳しくご説明していきます。
日向と日陰での劣化症状の違い
日向と日陰でどのような劣化症状の違いがあるのか、またその劣化症状を長期的に放置するとどんなリスクがあるのかを
ここでご説明いたします。
●●日向（日当たりの良い南側）
日当たりの良い南側は紫外線の影響を受けやすく、ひび割れが起こりやすいという特徴があります。
劣化症状のプロセスとして「色あせ」から始まり、「チョーキング」、「ひび割れ」の順に劣化は進行していきます。
サイディングのつなぎに用いる「シーリング」も日陰と比べ劣化が早く、ひび割れが生じやすいため注意が必要です。
チョーキング現象とは
外壁を触ったときに白い粉がつくことを「チョーキング現象」と言い、「白亜化現象」とも呼ばれています。
このとき付着する白い粉は、紫外線や雨の影響によって塗料の中の合成樹脂が分解され、顔料が粉状になって表面に現れたものです。
これは外壁の耐久性や防水性が低下しているサインで、外壁の劣化症状としてよく見られる現象の一つです。
しかし自然な劣化現象ではなく施工不良が原因の場合もあるので、チョーキング現象が見られたら一度プロの業者へ相談をするのがおすすめです。
ひび割れを放置してしまうと…
・塗膜の剥がれ
ひび割れを放置しておくと、他の部分にもひび割れが広がり塗膜が剥がれてしまう恐れがあります。
塗膜が剥がれると外壁を紫外線やカビなどから守ることができなくなり、次々とお住まいのトラブルに繋がる原因となります。
・外壁内部の腐食
ひび割れ部分から雨水が浸入し、内部の腐食に繋がる可能性があります。シロアリ発生の原因になったり、ひどい場合は大規模な工事が必要となってくる場合もあります。
・雨漏り
前述の雨水の侵入から派生しますが、ひび割れから侵入した雨水がそのまま室内へ垂れてきて雨漏りの原因となることがあります。
ひび割れ
チョーキング
シーリングひび割れ
ひび割れにも種類がある
一口にひび割れと言っても、ひびの幅や深さによっていくつかに分類されます。
メンテナンスの緊急性を計る一つの目安にもなるので、こちらのブログも参考にされてみて下さい。
▶▶【劣化の初期症状！ヘアクラック】
●●日陰（日が当たりづらい北側）
日が当たりづらい北側は南側に比べ紫外線の影響を受けにくい一方、湿気が多いためカビや藻が発生しやすいという特徴があります。
日向よりは劣化スピードは緩やかで外壁を直接傷める原因にはなりませんが、なるべく早めの除去をおすすめします。
カビや藻を放置してしまうと…
・美観性を損ねる
カビは年数とともに広く増殖していくことが多いため、放置する期間が長くなれば長くなるほど外観が悪くなってしまいます。
・外壁の劣化が早くなる
そもそも外壁にカビが生えているということは、壁の防水機能が低下しているサインでもあります。
カビや藻が発生した部位は水分を多く含んでいるため、ここからさらに塗膜を侵して劣化のスピードを速めていく恐れがます。
・アレルギーなど健康被害のリスク
カビの胞子が含まれる空気を吸い続けると、アレルギーなどを発症するリスクが高まる恐れもあります。
また、カビの種類によってはシックハウス症候群を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
・完全な除去が難しくなる
長期的にカビを放置すると、カビが深く根を張り完全に除去をするのが難しくなる場合があります。
劣化症状に適した施工
上記のように日向と日陰では見られる劣化症状にも違いがありますが、塗り替えをする際はその劣化症状に合わせた施工が
重要となってきます。
ここでは劣化症状に対してどのような施工がされるのかを簡単にご説明いたします。
●●日向部分
紫外線により劣化が進んだ旧塗膜は、塗装前に高圧洗浄などで綺麗に取り除いていきます。
この工程が丁寧に行われていないと新しい塗膜の剥がれに繋がってしまいます。
またシーリングのひび割れに対しては、雨水が浸入しないように汚れなどをしっかりと取り除き、
シーリングの打替えを行っていきます。
シーリング既存撤去
シーリング既存撤去部分清掃
シーリング充填
●●日陰部分
日陰部分も同様に高圧洗浄でカビや汚れ等を落としていきますが、頑固で取り除くことができない場合には
バイオ洗浄を選択する場合もあります。
バイオ洗浄には薬剤を使うため、この薬剤が植物などにかかると枯れてしまう恐れがあります。
そのため、庭に植物があったり近隣のお庭が近かったりする場合は飛散しないよう、業者側は特に念入りに養生を行います。
最後に
このように同じ建物であっても、劣化の状態は場所により違ってきます。
塗り替え時期の基準としては、最も劣化が進行している部分を見て判断することが重要です。
一般的に一番劣化が進みやすいのは、やはり紫外線の影響が大きい日向部分のため、
南側外壁の塗膜を細かくチェックし劣化が進行している場合は業者へ依頼するなど早めの対応をおすすめいたします。
この記事を書いた人
代表取締役 戸髙
